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企画の解説です

 解説


 ――本作の考え方について――


 仮面ライダーの石ノ森先生は、「キカイダー」を製作する際「キノピオ」を参照した。


 キノピオは、人間になる夢を叶えて幸せになる。

 しかし石ノ森先生は、「人間になったところで、幸せになれるか?」という考え方をキカイダーで展開した。


 また、多くのジブリ作品がそうであるように、企画の根本的な思想の出発点としての「古典文学」を、ほとんどオリジナルに昇華する手法は、創作の王道と思う。


 自分は、以前から「星の王子さま」を出発点に考えている。

 星に帰った王子は、薔薇とバオバブが上手くやっていたらどうするのだろう?――そんな発想から、様々なことを考えた。


 また、王子さまをSF的に捉えたときに、自分の中での「光の巨神の起源は、どんなだろう?」の想像にぴったり当てはまるので、そこと組み合わせている。



 最初は単純に、星の王子さまを男女の問題として読んでいた。


 しかし、薔薇が戦争で侵略される母国とも読めることを知って、「戦後」の日本の成り行きを反映させた。

 戦後は、まだ今も続く問題である。自分の世代にも、深く関わっている。


 今、バブル世代のつけを、現役世代や将来世代が払っている構造がある。

 このままでは、自分よりもさらに若い世代に、自分以上の負担を強いることになる。


 そういう世界で生きながら、自分の子世代孫世代への負担を減らす努力をし、でも陰鬱ではなく希望を持って生きることは可能だろうか?


 「気休め」をつくる事が目的だが、ちゃんとした考えの上でやることで、長編小説としての成立に必要と思う。



 ――――テーマについての思考――――


 「はい、家族愛は大切ですよって話ね」とか「環境を大事にしようねって話ね」と、簡単に捉えられる「メッセージ」が「テーマ」とするのを、書き手として用意したくない!と思うのは簡単だが、今回はちゃんと考えて用意してみたい。


 「少子高齢の日本で若者として生きていく困難さを自覚しながら、責任者に責任を取らせ、自分の責任は全うし、オリジナルの希望を持って生きる術を獲得する話」です。(もちろん、日本→夜ノ文化祭)



  ――――実際の本編について――――

 各時代を順番に記載したページだけでは、小説としての全体像を掴むのは面倒くさいと思います。


 主人公の視点が始まるのがページの後半部分からだし。


 それで、以下では、解説する体裁でどんな話として書いていくか自分でも理解を深めていこうと試みます。


 ――――主人公の特別さについて――――


 「時系列」の前半部分の「神話や魔法の世界」は、「ブロッククラフトゲームの社会事件」という本筋とはあまり関係ありません。


 主人公は、神話にとっては「最重要人物」です。しかし社会にとっては、「一般人」です。


 特別だけど、特別じゃない。そんな主人公です。


 夜ノ文化祭の「原作」としての神話よりも、投資家たちの「マネーゲーム」の方が社会的重要度が高い世界です。


 本来、たいせつなこととして皆で考えるべき事だけど、お金にならないからと見向きもしなくなった世界。


 主人公の社会的立場が重要すぎると、読者との接点を持つのが難しい。かといって、一般人すぎると大きな出来事と関わらせるのが難しい。

 そこをなんとかクリアしたくて考えた設定です。


 「特別だけど凡人」というのを、変形させて「社会的にはどうでもいいけど、神話的には重要」という所にしてました。

 今風の「感情移入できる主人公の立場」にしてみました。


 ただ、最後には「社会的に重要でなかった事が、ひっくり返す」エンタメ的な気持ちよさを取り入れたいです。


 神話は、「ブロックゲームの世界が何を模して作られた物なのか?」のなにを?の部分のディティールに過ぎません。

 しかし、ディティールだからこそ、作品の根幹的なテーマに通底しています。 


 「意識されないけれど、不足すると悪目立ちする基盤」として、「テーマ・精神軸」は重要な要素でもあると考えています。


 アクション映画でも、主人公の気持ちの流れがおかしかったりすると、そこが悪目立ちして、楽しめなくなる事があると思います。


 娯楽小説なので、精神軸がメインではありません。なので、ディティールにこそ、テーマの精神軸を込めます。



  ――――本作の特徴――――


「没入型でもないただのオンラインゲーム(画面ポチポチ)を、自分から洗脳して現実と思い込んでいる人々」「自分を洗脳するためのカリキュラムが整っている世界」「現実と非現実というありがちな対立構造を無視」


 ハリウッドの「ビデオゲーム系映画」では、最後に「でも、現実も大事だよね」で締めくくるものが多いです。

 これには、複雑な宗教的要因もあるかもしれません。でも、エンタメ的に見ればもう古いんじゃないかなぁと思います。


 提示したいのは、「ゲームor現実」ではなく「ゲーム=現実=夜ノ文化祭」として生きている人達。

 つまり、「自分は教科書で習う歴史上ではなく、夜ノ文化祭の歴史の上で生きている」というスタンスで生きている人達です。


 もちろん、普通にゲームと思っている人もいるし、考え方が多様です。

 そこで主人公がどの視点を選ぶかというと、「つくりものとしての夜ノ文化祭の価値が一番大事」という視点です。


 主人公は、皆が「つくりものとしての夜ノ文化祭」のために生涯を捧げるべき、というスタンス。

 「夜ノ文化祭こそが現実なのだから、そこに命をかけよう」という人達とは異なり、「作り物」である点を大切にしています。

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