主人公の精神軸
主人公は物心がついた頃から、ブロックの世界に携わっている。最初は「主体的な、自分の意思」を自覚してやっていたわけではない。
ファンではなくプロになったサッカー選手と同じように、親の勧めで理由なくはじめた。
おそらく、本人がやりたいというよりは、本人なりに親の希望を感じ取り、行ってみたのだろう。
「嫌」と明確にいえる子ではなかったし、そもそも「嫌」という感想を抱くほど、なんなのか分かっていなかった。
それが次第に本人なりの内実が生まれ、意思を持っていくようになる。しかし、その時の自分の「認識力」ではどうしようもないことによって、その道から外れる。
その前後のタイミングで、主人公の資質を見出してくれる人が存在していた。彼らは、あるいは主人公の資質を見出したというよりは「こういう相手がほしくて、主人公ならそうなってくれそうだった」と感じたからだ。
それは幼少期よりの親との関わりも影響している。ある種、主人公の「他人の願望りの人間に見える」のを才覚だとしたら、それは幼少期からの家庭での環境が影響しているし、親もまた社会や自分の親(主人公の祖父母)の影響でそうなっている。
主人公はその中で、幸せを望むようになる。あるいはそれは性的な欲望のレベルかもしれない。
とにかく、それに加え上述の「特性(他人が望むように強くも弱くもなる)」があるので、とても傷つく経験になる。
そうして「動けなくなる」その場所に行くことを、誰かが明確に望んでいるわけではない。主人公がそこにいることに「怒り」「憤り」「攻撃的意志」を表明する「親」「他人」「異性」もいる。しかし、彼らもまた誰かがそこにいて、「自分はそこにいない」を感じたい。
そんな暗く、鬱屈した状況の中で、過去に同じ状況になっても世界の素晴らしいものへのリスペクトを捨てなかった先人たちの作品とその考え方に、弱いなりに生きる「積み重ねたセンス」を培っていく。その扱いにも長け、肉体的にも技術をより支配できるように)コントローラブルになっていく。
そんな過程は、過去の人達と自分のこれまで、そして自分の希望、彼らの希望、そのミスマッチ(林氏が若い頃の苦悩でも理事長として責任の苦悩)を見て、この世界の根源、そして自分のルーツに気がついていく。
それらをコツコツ&ダイナミックに「創作」していく「ラピスラズリ色の戻れない旅」を完成させるべく動く。
そして作った「旅」を通じて「彼女」と対話をする。彼女を看取る。
あるいはそれは、主人公の青春の「永遠の夏の恋」との別れでもある。一人の人間として、見届けることができるし、自分のことも、他人のことも、一人の人間として見られるようになる。
その罪を罰しながらも、リスペクトを伝え、安らかに、浄化、そして払拭されなかった辛さをおれが向き合うが、後世には受け継がせないことを示し、先任者の物語りを閉じる。そして、主人公は希望のために、辛い今と戦いながらも、恩人や友人との再開・謝罪・希望を経て、これまでと向き合いながら希望の未来に向かってゆく。




