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今日は名前だけでも覚えて帰ってくださいね

学生時代

とある留学先での私だけが知っている物語


留学先には複数の日本の学校から学生が集まっていた。

その一つに京都の学校。


その学校の子に私は恋をした。


理由は単純。

方言に私のハートはぶち抜かれたのだ。


お淑やか?

優しい?

大人っぽい?

言い表せないが、あの感じは本当にずるい。


偶然にもその子と同じクラスになり

その子には積極的に話しかけた。

普通に会話はできていたと思う。


留学先で何をしてるやら

それに現地の人に恋をするのではなく

海外で日本人に恋をするという

それでも

ドキドキ?

ワクワク?

しながら毎日を過ごしていた。


がしかし、、、

留学先に到着して数週間は経った

ある日の授業にて


私が座っている後ろの席でヒソヒソと何かが聞こえる。


後ろの席には

その気になっている子と

その子の友達。


私は目の前で授業をしている先生の方を向いて

耳は後ろに向けていた。


「この前・・・」


何を言ってるんだ。

感覚が研ぎ澄まされ、後ろの会話に全集中していた。


「なんだっけ?」


聞こえてしまった。


「この前の人、名前なんだっけ?」


私のことではなく

隣の席の子の名前を聞いていることを願ったが


すぐにその子の友達は私の名前を口にした。

「□×○だよ」


そう。

私は名前すら覚えてもらっていなかった。

その後の私はひたすら授業にのめり込み

クラス内のテストでは一番の点数を叩き出した。


芸人さんが言う。

「今日は名前だけでも覚えて帰ってくださいね」


私はこの言葉に

他の誰よりも共感し頷いている。

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