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“あの自販機“前に集合な!
スマートフォンで簡単に位置情報が送れる時代。
「どこにいる?」「ここにいるよ!」で簡単に集まることができる。
もはや家族や友人との集合場所に困ることはないだろう。
そんな便利な機器がまだ普及する前の出来事。
私と友人との集合場所はそれぞれの家から近い3台の自販機が並んだ場所だった。
「おはよう!おせーよー」
朝、一緒に学校に登校する時。
「後からこの自販機に集合な!」
放課後、遊びに行く時。
「ごめん!明日返します!夜にありがとう!」
夜、宿題のノートを借りる時。
「あの自販機で“あれ“買ってくるわ!」
もちろんジュースを買いに行く時。
“あれ“というのはなぜか安くて量の多いサイダーのことだ。
自販機前の各出来事は一瞬だったが、その積み重ねは数えきれない。
「今日、“あの自販機“前に集合な!」
私と友人の間では今でも“あの自販機“で伝わる特別な場所となっている。