決着、そして…
【第八十三話】
次の相手は、ヤークという人だ。
あの大きな剣、警戒しないといけない。
ヤーク、見た目は普通の人だけど、何か顔が怖い。
「さあお前ら、行けー!」
試合開始の合図だった。
けど、ヤークは動かない。
えっ?
あれ、何か飲んでる。 あれってもしかして…
って、大量に飲んでる! ちょっとあれは危険じゃないの?
何か目が血走ってるし。
ヤークは攻撃してきた。
あの大きな剣を振り回しながら向かって来た。
あ、この人って剣術とかやったこと無い人だ。
思ったより楽勝かも?
だが、この考えが誤りだったということを後に知ることになる。
この人の攻撃を受けるのは余裕なんだけど、一撃一撃がすごく重たい。
体格は普通なのに、この力はやはりあの薬のせいだろう。
攻撃を受けるのは問題無いけどこう連続してくると、いい加減イヤになってくる。
攻撃の間隔がだんだん速くなってきたし。
もういい加減にして! と渾身の一撃を食らわせた。
けど、剣は吹き飛ばずにそのままだった。
「えっ?」
この薬、どんだけヤバいの?
これは長期戦になるかも?
でも、このままではヤークの体が持たないと思う。
私は後ろを向いて、一目散に走った。
闘技場は四角いスペースだけど、場外判定とかは無いみたい。
なので、もう壁まで走った。
そこで、鞘を地面に突き立て五角形の部分を思いっ切り叩いた。
そうしたら、「カッシャァ〜ン!」と音がして鞘が外れた。
そして、「レスフィーナ、行くわよ!」 と合図した。
「全力で行きます!」と返事があった。
ヤークは走ってこちらに向かって来た。
既に間近に来ていた。
そして、大剣を振りかざした。
そして…
大剣が振り下ろされた。 私も剣を一閃!
ここで剣が光った。
そして、「シュパァ〜ン!」と音がして、大剣は消滅した。
剣の部分だけではなく、全てが消滅した。
突然のことで、ヤークはうろたえていた。
さっきまで握っていたものが無くなったのだから。
ここでヤークは突然泣き出した。
しかし、涙ではなく血の涙だった。
これは危険だと思い、ヤークの元へ行った。
そして、渾身の力を込めて腹をぶん殴った。
すぐさまその場を離れた。
「エゲェッ〜!」と、大量の薬を吐き出した。
その薬を見たら、やっぱりそうだった。
多分、他にも被害を受けた人がいるんだろう。
この薬を無くすのは無理かもしれないけど、今ある物は消してしまわないといけない。
ここで、司会をしていた男がやって来た。
私の勝利宣言をするかと思ったら違った。
「おいあんた、よくここまで勝ち上がったな だが、あいつに勝てるかな?」
「えっ? だって私はこの人に勝ったんでしょ! まだ戦うっていうの?」
「残念だったな 今までは予選みたいなもんだ ここからが本番だ!」
そこに現れたのは、身の丈3メートルはあろうという大男だった。
「こいつに勝ったなら、賞金をやろう そうでなかったら死ね!」
ここで大男が向かって来た。
この剣を使ったら一瞬で終わるんだけど、あえて剣を鞘に戻した。
男も真っ赤な目をしていた。 この人も中毒者だろう。
けど、この人には慈悲の心を持てなかった。
何故なら、この男は何かを持っていた。
それは、最初に戦ったガリストと、ヤークに敗れた男の首だった。
「絶対に許さないっ!」
男は巨大な斧を振って来た。
だけど、それを受け止め、腹に蹴りを入れた。
男は吹っ飛んで行って、薬を吐いて動かなくなっていた。
「これで終わりじゃないよ!」
私は剣=鞘で男の全身を打ち付けた。
この男には罰が必要だ。
失った命はもうどうにもならないけど、こうでもしないと気持ちが納まらなかった。
もう全身の骨は砕けバラバラになった。
これを治すかどうかは後で決めよう。
そこに、あの男がやって来た。
「お前、何てことしてくれたんだ! 俺達の稼ぎ頭だったんだぞ!」
「さあ、こいつを倒したんだから払ってもらうわよ!」
「こ、こいつに勝てるはずが無いのに、何でだ!」
「勝てるはずが無いって、まさか、払う気なんか無かったんじゃないの?」
「わ、分かった 代わりの物をやるからそれで勘弁してくれ」
「それは一体何?」
「お前も飲んでいた、あの薬だ」
やっぱりそう来たか…
「じゃあ、今ある薬、全部もらうわよ」
そう言って、剣=鞘を男の前に突き出した。
「わ、分かった い、今から案内する…」
マシェも来ていたんだけど、ティーナに目で合図を送っているように見えた。
一体何だろう?
案内されたのは、建物の裏手にある小屋だった。
小屋といっても、結構大きかった。
そして中には、大量の薬があった。
「あんたも持ってるんじゃないの? それも全部出しなさい!」
ここで、男の首を掴んで持ち上げた。
「は、はいぃぃぃぃっ!」
私はそれを受け取った。
それを左手に移した。
そして、炎の球=ファイヤーボールって言えばいいのかな? これで焼き尽くした。
男は恐怖で声が出なかった。
「まだこれからよ!」
「ファイヤーボール!」
私は、バレーボール大の炎の球を小屋に向けて放った。
名前言った方がかっこいいと思ったから。
「お、うわっ! 俺の財産が〜!」
ここでマシェが言った。
「この男は、危険な薬を売り捌いている男で手配されているの そして、懸賞金もかかってるの」
そこでティーナが男の腕を掴んだ。
「何だお前、離せぇ〜!」
「あなたは今まで危険な薬を売り捌いていたわね あなたを拘束します!」
マシェは、強く言った。
「えっ? そういうこと?」
「じゃあレスフィナ、他の人達も捕まえてきて」
「あ、ああ、そうする…」
こうして、計3人が拘束された。
マシェはあの男の顔に見覚えがあったらしく、拘束するために縄を用意していた。
あの大男だけど、もしかしたら薬のせいで善悪の判断が出来なかったかもと思い、治してやった。
あの痛みを受けて、これでもうあんなことをしないと信じたい。
そして、この3人を首都のティエンに連れて行った。
あの男には懸賞金がかけられていた。
その額何と、2000万エイルだった。
何でも、各国で薬を売り捌いていたらしく、その懸賞金も高額になっていた。
それに、他の2人にも懸賞金があり、500万エイルずつだった。
けど、薬を燃やしたのはまずかったらしい。
証拠が必要だったらしい。
全て燃やしちゃったからね。
でも、合計3000万エイル手に入ることになったから良しとしよう。
「怪しい大会だったから賞金はあまり当てにしてなかったけど、3000万エイルももらえて助かったわ」
マシェは、うれしそうに言った。
これでトアルはしばらくは大丈夫だ。
「でも、それは今だけでしょ 今後どうするの?」
「それは考えがあるの」
「えっ、どういう?」
「それは、ある人にお願いするの」
「誰?」
「それは、あなたがよく知ってる人よ…」
今回はちょっと長くなってしまいました。
なかなか区切りが付かなくて。
やっぱり、話がどんどん思いもよらない方向に進んでいます。
最後の発言、当初とは違う人になってしまいました。
やっぱり、自分ではない人がこの話を作っているのではないかと思ってしまいます。
いや、そんなことはないんだけど。
この続きまでは少し考えています。
その後、どうするかは全くわかりません。
さて、いつまで続けていけるのやら…




