試合終了、そして…
【第七十九話】
心配していても仕方ない。
私は全力で立ち向かう。
この人って、魔王より強くない?
何か、普通の状態と違う気がするんだけど。
彼女の一撃一撃がすごく重たい。
こんな華奢な体に何でこんなパワーが?
そして、彼女の渾身の一撃が来た。
私は何とか受け止めたけど、剣から「ピシッ」と音がした。
見たけど、亀裂は入っていなかった。でも、目に見えていない亀裂が入っているかも。
これ以上剣で受けたら危険だな。
私は、攻撃をかわすことにした。
私が攻撃をかわしていると、彼女の息がだんだん激しくなってきた。
そりゃそうだ。 あんなに重い剣を振り回しているのだから。
そして彼女の瞳から、血の涙が流れた。
「!!!」
ちょっとこれは続けたら危険なのでは?
私は剣を投げ捨てた。
そして、彼女の攻撃を避けながら、腹部にパンチした。
剣がちょっと肩をかすってしまったけど問題無い。
彼女は、「うっ…」と呻いて、気を失った。
そうしたら、嘔吐した。
黄色い液体が大量に出てきた。
それを吐いたら顔が穏やかになって少し楽になったみたい。
倒れ込んだ彼女を抱き抱えて横にした。
そして、試合終了となった。
司会者が勝利宣言をしようと近づいてきた。
けど、私はそれを制した。
彼女はしばらくして目を開けた。
「あ、あなたが助けてくれたの? でも、負けちゃった…」
「でも、あなたはとても強かったわ」
「いえ、この力は私の本当の力じゃないの」
「どういうことなの?」
「それは、薬のせいなの」
やっぱりそうか。
「何故その薬を飲んだの?」
「ある日、薬を持ってきた人がいたの それを私が飲むことになったの」
「何であなたが?」
「私が飲むしかなかったの…」
彼女をよく見てみると、顔にあざがあった。
私は、彼女の袖をまくって見た。そうしたら、
見るに耐えないあざが多数あった。
私は理解した。
彼女は、家族から虐待を受けていた。
「あなたの家族はあなたに何をしたの?」
「私には父しかいません 父の言うことは絶対なので…」
「そこから逃げてきたの?」
「いえ、私にこの大会に出て賞金を取って来いと言われたの」
「あなたは逆らえなかったということね。」
「はい…」
「それで、いつからその薬を飲んでたの?」
「10日前に薬を10個もらったの」
「何で飲むのをやめなかったの?」
「この薬を飲んだら何だか力が強くなって、この大会を知った父に出るように言われて」
「家を出ていけばよかったのに」
「この薬を一回飲んだら、また飲まないと苦しくて苦しくて…」
それって麻薬じゃないの? この世界にも麻薬があったなんて。
「薬は父が持っていたの だから薬をもらうために家を出て行くことが出来なかったの」
彼女、エディだったわね。 エディを救ってあげたい。
ここでエディが咳をした。そして、血を吐いた。
私はエディの腹部に手を当てた。
そうしたら、また黄色い液体が出てきた。しばらくすると、それは透明になってきた。これで大丈夫かな?
「まだ苦しい?」
「いえ、大分楽になったわ」
そして立ち上がったエディ。
そこにやって来た司会者。
「大丈夫みたいですね 勝者はレスフィナさんです〜!」
私の勝利が決まった。
けど、エディを何とかしてあげないといけない。
完全に薬が抜けたかどうか分からないけど、かなり楽になったみたい。
そして、エディは色々と話してくれた。
「あの薬、1日1回飲まないといけなかったの 飲んだ翌日になると、強烈に飲みたくなったの」
「それは何とか我慢してやめなければいけなかったんじゃないの?」
「それは絶対に無理だったの」
「その薬を持ってきた人はどんな人だったの? 何故、ただで薬をくれたの?」
「男の人だった 多分、その後この薬を売るためだったんじゃ?」
詳しいことは分からないけど、これって麻薬の密売人じゃないの? この世界も麻薬で汚染されていたなんて…
「エディ、もう逃げてもいいのよ 私と一緒に来ない?」
「うん、そうする! もうあんなことは絶対に嫌…」
ここまで言って、エディがガクッと倒れた。
穏やかな顔をして眠っている。
だって、あんな大剣を振るって戦っていたんだもの。そりゃ体にとんでもない無理がくるしね。
ゆっくり休んで。
試合後、賞金をもらい帰途に着くことになった。
エディは動けるようにはなったけど、まだ歩ける状態ではない。
しばらく休んでから帰ることにしよう。
ここで、忘れていたことがあるのを思い出した。剣を置いたままだった。
剣を持って会場の入り口に差し掛かった時、腕を組んだ男の人がいた。
そして、こう言ってきた。
「ここよりもっと高い賞金の大会があるんだが、あんた出ないか?」
これ書いている途中、話がだんだん変わっていきました。
まあこれでおかしな部分は無いと思っています。
この後のことも考えているんだけど、そこに至るまでが難しいです。
他にも、本編とは関係無いエピソードがあるんですが、発表するかどうかは未定です。




