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魔王復活

【第五十七話】


「あなたを魔王にするから」


えっ? どういうこと?


ティーナは横で警戒していた。


バットはもう触りたくない状態で破棄したので、手持ちの武器は弓しかない。


けど、こんな近距離では使えない。



私は聞いた。


「魔王? 私が魔王ってどういうこと?」


「あら、あなたはもう自分の中に誰かが入り込んでいるのに気が付いているでしょ?」


あ、あれがそうなの? いつの間に入り込んだ?


「あなたの右耳、そこに種を植えたから」


もしかしてあの時に?


「何の種を!?」


「もちろん、魔王の種よ」


少女は下を向いて笑っていた。


私は何も言えないで黙っていた。


そこでティーナが言った。


「黙って聞いてりゃ何よあんた! 魔王がなんだっていうのよ!」


「あなた、魔王が復活したらこの世界は終わるのよ」と少女が言った。


そうしたらティーナは何も言えなくなった。



そして少女はこう告げた。


「あなた達が駆除したあの死体共、あれはほんの少し生きてたんだよね」


「えっ? じゃあ私達が殺したということ!?」


「そう、あなた達はよく働いてくれた それで魔王の成長が始まったのよ」


「ど、どうしよう 私人を殺してしまった…」


「いやーーーっ!」ティーナは叫んだ。


「あなた達が奪った命を魔王は吸収したの これから面白いことになるわ」


と言って、不気味な笑みを浮かべた少女。


私達は、後悔してもしきれない罪を犯してしまった。これからどうすればいいの?


突然私は「ドクン!」と心臓が鳴った。そして意識が薄れていった。


いや、意識が薄れたというよりも意識の奥底に沈められるような感じ。


もう一人、…魔王?の意識がはっきりしてきたようだ。


なんか体を奪われたような感触、というか、もう乗っ取られてるといっていい。


私はどうなってしまうの? と言ってももうどうしようも出来ない。


ティーナの声も聴こえなくなってきた。


そのうち、暗闇に覆われてしまった…




「フハハハハハッ! 我は復活した!」


レスフィナ=魔王は空中に浮いていた。


危険を察知したティーナは、離れて木に隠れた。



「とりあえず魔王様の復活は成されたわ でも、まだ完全じゃない 不純物が残ってるから」


と、少女は呟いた。


魔王といっても、姿はレスフィナのままだったからだ。




そして魔王は腰にあった剣を手に取った。


「ほう、これは中々良い剣を持っているではないか」


魔王は剣を取り、しばし眺めていた。そして、


「これは魔剣、レミフォルスではないか!」


レスフィナの持っていた剣は魔剣で、名前があったようだ。


「108つの剣を融合させたというこの魔剣、これは正に我の体に最適ではないか!」


そして魔王は剣を逆手に持ち替え、高く振り上げた。


そして!


魔王は剣を自分の腹に突き立てたのだった。


これを見たティーナは叫んだ!


「イヤ~~~、止めてぇ~~~っ!」


レスフィナ=魔王の腹からは血は全く流れていなかった。


刺した剣は、体と融合したような感じだった。


魔王は更に剣を押し込んだ。


そうしたらレスフィナの体に変化が起こり始めた。


体が剣と同じ黒くなり始めた。そして、容姿も変化し始めた。


「あれが魔王…」ティーナはそうつぶやいた。


「おー、これだ!」と魔王は感激しているようだ。


「もう、これは必要無い」と言い、魔王は両手で剣を更に深く刺し込んだ。


すると、背中からレスフィナが「ずるっ」と押し出されてきた。


腹部は剣で刺されていたので血で真っ赤に染まっていた。


そして落ちてきた。


それを腕で受け止めたティーナ。



「レスフィナ、レスフィナ、レスフィナァ~~~ッ!!!!!」


腹部からは大量に血が溢れている。ティーナは手で押さえて血を止めようとしている。


そしてティーナは叫んだ。


「何で私にあなたと同じ治療の力をくれなかったのっ!!」


ティーナは泣いていた。



その時、レスフィナの右手がわずかに動いた…

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