謎の人形
【第三十三話】
馬車に乗っていると、さっきの人が話しかけてきた。
「私は、ソイルと申します 先程のあれは何だったのでしょう?」
さっきのアレのことを聞いてきたんだろう。
「あれで治療したんですよ」と言ったら、とてもビックリしてた。
「実は、私が触るだけで治っちゃうんですけどね」と言ったら、もっとビックリしてた。
ソイルさんはうんうんと頷いているけど、納得はしていないだろうね。
それから特に会話はせず、1時間くらいしたら到着した。
大きな邸に到着して、中に入るまでちょっと待たされた。
そして、中に案内された。
部屋をどんどん進んで、寝室みたいな所に来た。
そこには、白髪のやつれた男が寝かされていた。
ソイルさんが、「旦那様、治療をしていただける方をお連れしました」と伝えたが、本人は動かないまま。
手を出しているけど、指先がわずかに動いたので、生きているみたい。
けど、何故か手袋をしているのが気になった。
どうやって治療しようか考えたけど、決めた。
手を握って治療だ。
私の場合、普通の?ヒールと違って触るだけで治っちゃうのでこれがいいと思ったので。
さっきのを見られてるからね。
そして、始めた。
しばらく握ってるのに、この人全然反応しない。
生きてるはずなのに、全然生気を感じられない。
どういうこと?
思い切って肩を揺らしてみたら、頭がガクンと下がった。
手袋を外してみると、木で出来た人形の指だった。
これって人形だったの? 私はソイルさんを問い詰めた。
「どういうことですか! 私は治療をしようとしたのにこれは一体何なんですか!」
ソイルさんは、丁寧な口調でこう言った。
「誠に申し訳ありません ああ言わないと治療に来てくださらないと思いましたのでこういったことをしてしまいました」
「治療する人は他にいるということですね」
「はい、実は私はこの領地を納める者で、この地に住む全ての者を治療していただきたいのです」
「それって、何人くらいなんですか?」
「はい、2000人以上ですか」
「・・・・・」 私はちょっと言葉が出なかったが、疑問に思ったことがあったので聞いてみた。
「何故、そんな人数が調子が悪いのですか?」
「それは、水のせいだと思っております」
確かに、それは有り得るだろうね、多くの人が水を使うし。
「私達が飲料や家事に使っている水は近くの湖から得ていますが、それが最近おかしいのですよ」
「どういう風に?」
「以前は透き通ってきれいな水だったのですが、最近は灰色に濁っているのです」と。
それしか水が無かったら使うしかないのだけど、皆仕方なく使ってたんだろうね。
けど、その前に…
「まずは治療を先に行いますので用意をして… って、一度には出来ませんよね」
「ええ、地域毎に50人くらいのグループに分けて…、あなたなら出来ますよね?」
「はい、その位の人数なら楽勝ですけど」
あ、前回のことで思い付いたことがあるので、それをやってみようかな?
「では、とりあえず10人ほど呼んでください」
「はい、ではそのように致します」
実験ではないけど、ちょっとやってみよう。
この話、最初に考えてたのと話を全く変えました。
普通に治療して終わり、というのはつまらないので。
これからどうするかは、もう既に考えてます。
自分の場合、キャラが動いてそれを文字に起こしているという感じです。
何か、見えてくるんだよな~




