ドンガ
【第三十話】
弓矢を射るイベントは、何かの感謝祭で行われていたみたい。
今日もちょっと覗いてみたけど、相変わらずの賑わいだった。
他にも色々やっていたけど、特に見たいものが無かったので、ここを後にした。
ティーナと話したけど、やっぱりお金を調達しないといけないと。
生活に必要な物が色々あるけど、今のままではそのうち無くなってしまうし。
それで、どうしようかと話し合った。
私が提案したのは、人々の病気や怪我を治して、治療費をもらうという仕事。
これは、私が出来ることなので。
けどちょっと考えたけど、こういうのって何処かの許可を得ないといけないんじゃないかと思った。
これ、誰に聞けば分かるかな?
この町に知り合いなんていないな~… あ、一人いた!
あの係員さんに聞いてみようか。
なので、感謝祭の会場に戻った。
そして、探してみても、いないな~。どうしよう?
あ、あの小屋の中じゃないかな? と、小屋に入ってみたら、やっぱりいた。
で、聞いてみた。そしたら、
「あんた、人を治療するって、医者だったのか?」と言われた。
「いいえ、私はそういう能力があるんです」と言ったけど、信じるわけないしね。
なので、「あなたはどこか体の調子が悪い所がありますか?」と聞いてみたけど、
「いや、俺はどこも悪くない」と、返ってきた。
「じゃあ、誰か調子を悪くしてる人はいますか?」と聞いてみた。
そしたら、「俺の母さんが原因不明の病気で寝込んでしまって動けないんだ」と言ってきた。
「では、そのお母さんに合わせていただきますか?」と聞いたら、
「あんたは本当に治せるのか?」と言ったので、
「もちろんです!」と答えた。
「じゃあ、今日の仕事が終わったら案内する」と、言われた
彼の家に案内された。この人、結婚してなくて、お母さんと二人暮らしみたい。
それで、お母さんの所に案内された。
ティーナは、宿の方で待っててもらって、私だけ来てる。
私は、お母さんの顔を見たんだけど、眉間にしわを寄せて、苦しそうにしてた。
実際すぐ治せるんだけど、一応彼を呼んで、「今から始めます」と言った。
それっぽく、手を近づけてみたりして、母親の額に手を当てた。
実際、これで治ってるんだけど、ちょっと時間をかけてみた。
それっぽく演出してみたわけで。
まあ、この方が治してるって感じがすると思うので。
しばらくして、「終わりました」と言った。
母親の顔を見ると眉間のしわは無くなり、安らかな顔ですやすや寝ていた。
うん、治ってるね、と確信が持てた。
「母さん、大丈夫なのか?」と聞くので、
「大丈夫ですよ」と答えた。
寝ているので、「しばらく寝かせてあげてください」と伝えた。
「そうだ、あんた今日はここに泊っていかないか?」と言ってきたけど、
「ティーナが宿で待っているから今日は帰ります 明日の朝に、様子を見に来ますから、それまで様子をみておいてくださいね」と言うと、
「ああ、もう一人の娘はティーナというのか あの娘、何という弓矢の腕前なんだ 一体何者なんだ?」と聞いてきたので、
「いえ、普通の人ですよ 私もビックリしてたくらいですけど」
「そうだ、まだ名乗っていなかったな 俺は、ドーンガイズという 仲間内では、ドンガと呼ばれている」
「そうですか、あ、私はレスフィナと申します ドーンガイズさん、よろしくです」
「いや、ドンガと呼んでくれてかまわない」
「ではドンガさん、今日は失礼しますので」と言って、その家を後にした。




