ちょっと、一仕事?
【第二十九話】
今、宿屋に泊ってるんだけど、この世界で宿屋に泊るのって初めて。
暗くなって寝る前、もらった鉄弓をよく見てみた。
ちょっとこれはすごくない?
弓を引く所、これ、何ていうのかよく分からないけど、確か板バネっていうんだっけ?
これで作られている。
厚さは3ミリくらいかな? これが6層重なっている。
これが、綺麗に仕上げられており、まるで芸術品のようだ。
私は、ちょっとやることがあった。
ティーナはもう寝てるんだけど、私は一人で外に出た。
何をするかって、それは、鉄弓の試射。
矢を一本借りたんだけど、それでちょっと射てみようと思ってる。
歩いていたら、大きな木を見付けたのでそれを射ってみよう。
私は弓矢はやったことないので、近くから。
この鉄弓、私でも結構な力で引かないといけない。これは、普通の人では無理だね。
これ、弦も金属製で、手袋をしないといけない。
けど、皮膚の硬質化で大丈夫。
私は、キリキリと弦を引き、矢を放した。
木に当たったんだけど、当たった音がしなかった。
いや、音はしたんだけど、何て言えばいいか分からない音。
そして、木に近づいてみてビックリした。
何と、木に大きな穴が開いているし。
それは、矢の太さの二回りくらい大きな穴。
何なの、この鉄弓のパワーは? と驚きを隠せないでいた。
これ作った人、一体何のために作ったんだろう? 謎だ。
朝起きて、朝食は何にする? とティーナに聞いたんだけど、
「あまりお腹空いてないから、いらな~い」と言われた。
朝食といっても、残った焼き芋しかないんだけど。これ、古くなったから、そろそろ処分しようかなと思ってた。
私も殆ど食べてないし。
最近のティーナの行動などを見て、何か以前と変わった気がするんだけど、気のせいかな?




