神技、ティーナ
【第二十八話】
「これ、クリアしたら何がもらえるの?」と、ティーナが係員に聞いていた。
そうしたら、「この鉄弓を差し上げよう」と係員が言った。
係員は、小屋の奥にあった大きな箱からそれを取り出して見せてくれた。
「何これ? ものすごく高そうに見えるけど」
私は、思ったままに言ってしまった。
この鉄弓は装飾などは全く無いけど、ものすごく精密に作られている感じがした。
名工が作った、そんな感じ。
これを見たティーナ、「これ、絶対に欲しいから頑張る!」と言った。
ティーナに言った。「矢のこの赤い所を周りの筒に触れないように射るんだよ」と。
「分かってる、しっかり見て射るから大丈夫だよ」
「でも、もしこれをもらえたら使えるの?」と聞いたら、
「まだ私には無理かもしれないけど、いつかこれを使ってみたいな!」
ティーナは、喜びながらそう言った。
「では、始めます!」 ティーナは宣言した。
ティーナは弓を構えた。
ティーナの目を見て、「ドキッとした」。
怖い位に目が真剣だった。
そして矢を放ったティーナ。
心地よい、「ストッ」と音がして矢は刺さった。
係員が引き抜こうとして、私は止めた。
「待って、それ、私にやらせてください」と。
引き抜く時に、筒に触れて傷付けられたらたまったものじゃないので。
係員の了承を得て、私は矢を掴んだ。
私は、機械のように慎重に引き抜いていった。
そして、矢の先を見た。
そうしたら何と、全く赤い所が剥げていない。
これを係員に見せた。そうしたら、「ああ、これは大丈夫だ。約束の鉄弓を差し上げよう」と言ってくれた。
それにしても、ティーナはどうしたんだろう?
こんなことが出来たなんて、驚きだ。
それにしても、こんな立派な鉄弓を一体どんな人が作ったんだろう? ちょっと係員に聞いてみた。
そうしたら、「昔、ここに武器職人が来ていたそうなんだが、その人は重い病気になって死にそうになったんだが、この町の人に治してもらったんだそうだ」
「そのお礼として、この鉄弓を作ったそうだ」
「へぇ~、その人はお医者さんだったんですか?」
「いや、普通の人だと聞いていたはずだが」
えぇっ? じゃあレスフィナの能力と同じものを持った人がいたのかな?
それにしても、その武器職人は何で誰でも使えない鉄弓なんか作ったのかな?
これは普通の人は誰も使えないような代物なので、厄介払いだったのかも?
まあ、私だったら弓を引けると思うけど、ティーナはまだ無理だろうね。
けど、こんないいものをもらえるなんて、ラッキーだったね。
まだティーナには使えないので、とりあえず私が預かっておこう。




