ティーナ、射る
【第二十七話】
料金を払ったら、係員の人から3本の矢を渡された。
矢の先端の矢尻は、弓矢と同じ太さの物で黒く先が尖ったものだった。
これを射て、3本のうちどれかが当たればいいらしい。
ティーナは、矢を構えた。
そして射た。
何と、黒い的の中にしっかりと入っていた。
そして、2射目を構えるティーナ。今度は更に弓を引いていた。
そして、矢を射たティーナ。
「パキ~ン!」と音が聞こえた。
「えっ? 矢は何処に?」 さっきと変わらない状態なんだけど。そこで声が聞こえた。
「おおーっ!!」
どうやら係員の人らしい。
何事かと、係員の所に聞きに行った。そうしたら、下を指差した。そして見ると…
綺麗に割けた矢が落ちていた。
え、どういうこと? と思ったんだけど、すぐに分かった。
つまり、刺さった矢と同じ所を射たということ。
だから、最初見た光景と同じだったというわけ。
ティーナって何者? 何その技は?
3射目を射ろうとしたティーナに、係員が言ってきた。
「あんたの腕前はよく分かったから、もう射らなくていい では、景品を差し上げると言いたい所だが、あんたには別の物が良さそうだな」
「え? じゃあ何を?」 ティーナは興味深々で聞いてきた。
「この上級コースより更に難しい、超上級コースがあるんだが、その料金を無料にしよう」
「それって、いくらなの?」 私は、これが気になったので。
「2000エイルだ」
高いな~、「で、ティーナはどうする?」と聞いてみたら、
「もちろんやるに決まってるじゃないの!」と自信満々に言ってきた。
そうしたら、係員は案内してくれた。
少し歩いた所に、小屋があった。小屋といっても、長い小屋。
分かった、この中でするってことだね。多分、風の影響を受けないようにするんだ。
係員は説明してくれた。
「あちらに、細い筒があるんだが、そこにこの矢を射るんだ」と。
その矢を見せてもらったら、先ほどの矢と同じだけど、先の方が10センチ位赤く塗ってあった。
私はティーナから、残った矢をもらって、筒の方に行ってみた。
そして差し込んでみた。そうしたら、矢と筒の隙間は片側2ミリ位しかなかった。
そうか、この赤い塗料を傷つけないように射るということだね。
って、こんな精密なこと出来るの?
ティーナは何故か自信満々だった。
さあ、どうなる?




