絵本を読む限りでは、 “ 彼等の怨念 ” を封印出来た事なっているらしい。
其々の≪ 都 ≫は聖女様の出生地になっていて、 “ 彼等の怨念 ” を封印させた後は、聖女様が帰還する故郷になっているらしい。
何度も言うけど、奇蹟の聖女伝説は≪ ガゼンカザス大陸 ≫とは無関係の話だ。
なのに何故か≪ ガゼンカザス大陸 ≫が物語の舞台になっていて、≪ ガゼンカザス大陸 ≫で実際に起きた実話として遥か昔から語り継がれている。
捏造力が半端ないんですけど!!
セロ曰く、 “ 都起こし ” をする為に奇蹟の聖女伝説は好都合だったんだとか。
悪意は無いらしい。
見渡す限り砂漠ばかりで此と言った楽しみも無かったらしい。
異国で起きた奇蹟の聖女伝説は当時の陸民達にとっては魅力的な物語だったのかも知れない。
悪気が無ければ捏造してもいいのかよ??
オレは駄目だと思うんですけど……。
だけど、此の奇蹟の聖女伝説の捏造に関与してるのが、セロから数えて何代か前のセンダイさんなんだとか。
1000%、確信犯じゃないかよ!!
聖女様の後日談は完全に作り話らしい。
“ 7人の奇蹟の聖女様 ” が揃った冒険譚は絵本じゃなくて、分厚い本に書かれていて出版されているらしい。
かなりヘビーな内容らしいから、子供にはお薦めしないんだとか。
一寸気になる。
読んでみたいかも!
でも、オレは昔から本を読むのが苦手だから、セロに朗読してもらおうと思う。
今から楽しみだ!
聖女様の話は此ぐらいにしとこう。
砂漠の上を移動する一般的な手段は徒歩だけど、徒歩以外にも手段がある。
“ パダ ” って言う名前の珍しい動物に乗る手段もあるんだ。
パダは繁殖力が弱くて、数が少ない。
だから、パダは稀少な動物扱いされているから高額なんだ。
食事代も掛かるし、嘴から吐く息は臭い。
手懐けるのも一苦労だから、陸民は雛から買って育てるらしい。
育てるのも大変で苦労するらしいけど、パダが居ないよりは居る方が暮らしが楽になるんだとか。
パダの背中は乗る事も出来るし、荷物を載せて運ばせる事も出来る。
屋根付きの荷車を引かせるなら最低でも4体は必要らしい。
雛の時は、 “ 羽 ” って数えるのに成長したら “ 体 ” って数えるらしい。
柵と屋根付きの歩くベッドがあれば、移動が楽チンな旅になるだろうから、セロに提案したんだけど、速攻で却下された。
出来ない事はないんだろうけど……。
今は酸性雨砂漠の≪ 都 ≫を目指し歩いている。
砂漠に雨が降るのは珍しいらしい。
だけど、何で酸性雨なんだろう?
都民の命綱になってるオアシスは大丈夫なのかよ……。
他の砂漠に行きたいけど、「 全部の≪ 都 ≫に依って、滞在してから≪ 王都 ≫を目指そう! 」って事になってるから、酸性雨砂漠を避ける事は出来ないんだよなぁ…。
此の際、息が臭くても構わないから、パダに乗りた〜〜〜いっ!!
楽したいっ!!
マオ
「 セロぉ〜〜〜。
オレ、歩くのもう嫌だぁ〜〜〜!
パダに乗ろうよ〜〜〜。
セロなら〈 テフの源みなもと 〉で構こう成せい出で来きるだろ〜〜 」
八賢悳壹
「 マオ……。
生いき物ものは〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉でも構こう成せい出で来きないって。
確たしかに歩あるくのには飽あきて来きたかもだな。
マオ、オレの万まん歩ぽ計けい使つかうか? 」
マオ
「 使つかわな〜〜い…。
にゅい賢者の石が怒おこるし… 」
八賢悳壹
「 あはは…。
万まん歩ぽ計けいに嫉しっ妬とする賢けん者じゃの石いしなんて、にゅい賢者の石ぐらいだよな! 」
マオ
「 だよな〜〜。
≪ 都みやこ ≫と≪ 都みやこ ≫を一いっ直ちょく線せんに繋つなぐ道みちでもあればいいのになぁ…。
セロぉ〜〜〜、今いまからでもいいから≪ 都みやこ ≫に続つづく道みちを作つくってよ 」
セロフィート
「 無む理り、言いわないでください 」