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かちゃりと私の前に配膳された紅茶のカップに私はにんまりと口角を上げる


「クリスティーナ、お待たせ」


ニコニコと入ってきたアッシュ様にまぁと声を上げて隣にお招きする


「さぁ、こちらに」


アッシュに続きすたすたと歩くエリックは私に視線を向けると嬉しそうに口を緩める


サァッっと顔が青くなる向かいの少女に私はにんまりと笑顔を作る

何で今日アッシュがいるのかと、彼女はさぞ慌てていることだろう




「やるのは一週間後よ」


私とレオは机に向かい合ってニタリと笑みを浮かべる


「一週間、わたしは適度に苦しみながら嫌がらせをお受けいたしますわ」


手を緩めさせない程度のリアクションで彼女を喜ばせつつからめとる

彼女を失墜させるには言い逃れできないよう

そして誰にも責任転嫁できないような状況下で裁きを下さなくてはいけない


「一日くらいなら、エリックを呼ぼうかしら

やはり国交に次期国王がいないのはおかしいですもの」


綺麗な便せんに国交会食会を開きたいと綴る


イザベラ様からのおもてなしが我が国と異なる点が多くとても興味深い

あえて本人に知らせないことで自然な国賓対応が見たいという内容だ


アッシュにとって大切な妹だと思い耐えてきたけれど

イザベラは市民を下賤な家畜のようなものと平気で言い捨てたり

道端に座り物乞いを行う人のお金の入った空き缶を蹴り上げていたりした


アッシュも何か思うところがあるのか難しい顔をしていることも多い


「いい、レオ

貴方は今日からわたくし側ではなくイザベラのそばにいるように

傲慢な主人に嫌気がさしているとでもいうといいわ」


私の言葉にレオは一瞬いやそうな顔をした


「きっと彼女は当日何としてでも醜態を隠そうとするはずよ

信頼を勝ち取りなさい」


私の言葉にレオはあきらめたようにため息をついた


「本当に嫌がらせがきつくなったら言えよ?」


ふふんと鼻を鳴らし私は髪の毛をさっと払いのける


「わたくしを誰だと思い?この程度なんでもありませんわ」


イザベラを取り巻くメイド達は割と理不尽を受けているようだ

廊下で彼女たちに癇癪を起こし手を上げているのを何度も見た


「レオ、一番年下の、メイド・・・確かニーナだったわね?彼女から取り入るのよ」


過保護なメイドたち・・・きっと彼女は何もできないだろう

打ちのめしのプランニングが完璧に描けた


真っ暗な夜空に高笑いを響かせ、今日のミーティングは幕を閉じた


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