新しい朝-7
あたーらしーいーあーっさがきたーきーぼーうのーあーさーだ。
というわけでおはようございます。ただいま新設された部隊の部屋にいます。ただ問題が一つ。
「めっちゃ汚いんだけど。」
へレーナさんが「済まないが部屋が空いてないので倉庫を整理して使ってくれ。」って言ってたしな。仕方ないよね、いきなり入団したと思ったら新部隊設置だもん。へレーナさんには少し申し訳ないかな。だが反省はしていない。
「まぁ出撃命令とかもないし掃除しますか。」
先ずは天井とかの掃除だな。意外と中世って感じだが雑巾みたいなのはあったのでそれを濡らして絞って拭く。天井が終わったら次は壁、そして床。空気も埃っぽかったので窓を開けて換気をする。結構時間がかかるな。掃除機とかの文明の利器って素晴らしかったんだなとしみじみ思う。
必要な物と不必要な物の分別だな。早速高かったが前日に国王からもらったお金で買った羊皮紙にチェック項目を作る。先ず防具と武器系統は一切必要ない。へレーナに渡して処分してもらうか。
次は書類だな。埃被ってるものは全部処分。被ってない奴は中身を見て判断。
最後は家具。壊れているものはすべて処分...ってほぼ全部じゃん。残ったのは事務机とちょっと高価そうな椅子だけか...。よし、家具を買いに行こう。
早速家具屋さんに来た。店は広く、様々な家具が並んでいる。よくある生活感があふれるようなデザインではないがな。
先ずは来客が来た時の机と椅子を探す。まず机は一般的な家庭にもある机にした。椅子もそれに合わせて無駄な装飾がないものにした。少しでもケチらないと全部使ってしまいそうだからな...。
次は本棚だ。一応倉K...ゲフンゲフン、部隊の部屋にも様々な書物があったので本棚を買うことにした。これは少しおしゃれなデザインの物を買った。だが値段は一般的なものと全く変わらなかった。ヤッタネ。
最後は絨毯だ。これはすぐに目に入ってきた赤くて丸い絨毯にした。お値段は結構しました。...必要経費だ。
ついでに買って帰る際にストレージ機能を使ったら定員が目を剥いて驚いていた。なんでもそこまでの容量がある収納魔法使いはいないらしい。今後は気を付けるようにしよう。
帰る途中の裏路地に武器屋があったので中に入る。中には様々な武器があり、中には高そうな武器もあった。
「なんだ、嬢ちゃん。客か?」
「あぁ、偶然目に入ったもんだからな。」
店員は「そうか」と言って奥に引っ込んでしまった。俺は武器を見ていると、一つだけ雰囲気が違う短剣があった。俺がそれを見ていると店員が話しかけてきた。
「嬢ちゃん目が良いな。これは結構前に入ってきた短剣なんだが、だれも買おうとしないんだ。だが、この短剣には魔法効果『俊足』というものが付与してあるんだ。」
「付与?」
店員曰く、付与とは魔法陣を剣に刻むことによって装備している間はその魔法を半永久的に使うことが出来るらしい。
「なるほど...それならこれを一つもらおう。いくらだ?」
「金貨一枚と銀貨六十八枚だ。」
いうのを忘れていたがお金の単位は下から。
銅貨→銀貨→金貨→大金貨→白銀貨
一円→百円→万円→億円→兆円
という感じだ。ちなみに一般的な短剣の値段は銀貨八十九枚くらいだ。
「これで良いか?」
「......あぁ、ぴったりだ。ほい、大事に扱えよ。」
俺は「当たり前だ。」と言って店を後にした。これを持っていれば、もしもの時にこれで対処できるだろう。
「さぁてと、続きをしますか。」
部屋に着いた頃はだいたい昼過ぎだったが、俺は掃除を続けることにした。
先ずは家具をどんどん置いていってっと。BogではステータスのSTRとかを鍛えておいたから家具が一人でも持てるな。
家具を全部置いたので次は本棚への本入れだ。...結構な数があるからかなり時間がかかりそうだな。
俺が「やれやれ。」と言って本を片付けるために本を持った瞬間に扉が開く。
「エイジ殿?居るか...って何をしているんだ?」
「何ってみればわかるだろ?掃除だよ掃除。」
へレーナは眉をピクピクさせながら問いかけてくる。
「たった一日でこんなにきれいになるのか...?」
「あぁ。俺が本気を出したからな。あぁそうだ。へレーナ、この部屋にあった武器や防具だがいらないから全部処分してくれないか?」
「分かった。後で処分しておこう。何処に置いてある?」
「後で中庭に出しておくよ。」
「分かった。」
会話は終わったが、よくよく考えてみればなんでへレーナはこの部屋に来たんだ?
「へレーナ、俺に何か用でもあったんじゃないのか?」
「ん?あぁ、エイジ殿。食堂に顔を出してなかったが、まさかとは思うが昼まだ食べてないのか?」
「あぁそうだな。」
俺がそう言うとへレーナは俺の首根っこをつかんで引きずっていく。
「馬鹿者!先ずは昼を食え!いつ敵が来るかわからないからな!」
「へレーナ痛い!痛いから!わかったから放して!」
「痛い...」
「すまんな、ちょっと手荒だったか。」
俺は「そうだよ...」と言いながら食堂から出てきたパンとスープとサラダの三つを食べる。
「しかし...何だか周りの人たちに見られているような...」
「まぁ...可愛さと特例で入ってきたことで有名な人物だからな。」
「そんなわけないだろ。」
たぶん俺の顔についている傷跡が原因だろうな。こんな傷が普通は付くとは思えないからな。
「あの~...」
その時俺らに声をかけてくる女性がいた。その女性はへレーナ(163㎝位)よりも低く俺(152㎝)よりも高い157㎝位の身長の女性だ。だが、俺やへレーナと違ってあるところはふくよかだ。何処とは言わない。
「ん?どうした。何か用か。」
「一緒に食べていいですか?」
「別にいいが...」
俺がそう言うとその女性は俺の隣に座ってきた。
「まずは自己紹介だな。俺はシラフ=エイジだ。気軽にエイジって呼んでくれていい。所属は遊撃隊。」
「私は妖精族のシャメルです。所属部隊は第三騎士団です。」
シャメルは「えへへ...」と言いながらパンをスープに浸して食べている。
この世界には種族と呼ばれるものがあり差別的な用語で『亜人』と呼ばれることがあるらしい。
この世界で確認されている種族は『人間族』『獣人族』『エルフ族』『ドワーフ族』『フェアリー族』の五つらしい。ちなみにフェアリー族は羽を展開させることが出来る種族らしい。背は小さくないらしい。
「実はエイジさんに聞きたいことがあってですね...」
「なんだ?答えられるものだけ答えるが。」
「それでは早速...一つ目はですね、なぜ傷跡が付いているのかなんですけど...」
俺は傷跡を触りながら遠い目をしてカバーストーリを語り始める。
「そうだな...この傷は俺がある作戦で前線に出ていた時に出来たんだが...。」
~カバーストーリ~
ダスベスト帝国 軍事拠点前
「クソがっ!さっさと母国に帰りやがれ!」
「弾薬!早く持って来い!」
「リロードする!援護頼む!」
俺はその時基地内最前線の塹壕にいた。部下たちと共に防衛をしていた時だが...。
「大佐!危ない!」
部下が突然俺を突き飛ばす。俺は突然のことに対処できずにそのまま塹壕の中に倒れ込んだ。次の瞬間、先ほど俺がいた場所は戦車砲によって吹き飛んだ。当然だが俺を突き飛ばした部下は跡形も残らずにこの世を去った。俺もその衝撃に巻き込まれ片腕を失い、片目を失い、顔に傷がついた。
「あの...すいません。辛いこと聞いちゃって...」
「いいさ。どうせ既に済んだことさ。」
へレーナの方をちらっと見たが物凄く驚いた顔をしていた。どうよ、俺の演技力。
pon-kasさん、ぽよんさん、ご指摘とご感想をありがとうございました。




