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厄介-5

「...なぜここに国王がいるのだ?今は戦争中なのだろう?」


「大丈夫だ。私は政治の方で軍の方は我が娘のへレーナに任せてある。」


まさかの国王の娘さんだったよ。マジかよ。普通こういう時は団長と副団長が出てきて色々と質問するだろ。


「私の目の前に出てきて大丈夫なのかという意味だ。ここで私が殺すのかもしれんのだぞ?」


「はっはっはっはっは!先ずそういう心配をしている時点で攻撃する気がないのがまるわかりだ。」


...確かにそうか。殺す気があるならば即座に行動に移すだろうな。そんなことを考えていたらへレーナが話しかけてきた。


「...エイジ殿は凄いのだな。国王にそんな話し方をする奴は初めてだ。」


「私が敬意を払うのはダスベスト閣下かそれ同等の人物だけだ。」


..自分で言ってて思ったが、これってかなり失礼じゃないか?


「そうか...ならば私もそれにふさわしい人物となろう。それよりも観光には行かんのか?」


「...国王よ、済まない。それでは早速観光させてもらうとしよう。失礼する。」


俺はそのまま部屋を後にした。





「...なぜ付いて来るのだ?へレーナ、国王よ。」


騎士の格好をした国王がその問いに答える。というか国王は完全に傍から見たらただの騎士に見えるんだが。変装上手いな。


「いや、そなたの護衛と後は巷で噂の奴にいろいろとさせられないようにするためだ。」


「奴?危険な奴なのか?」


その問いに答えたのは国王ではなくへレーナだった。ついでに言うとへレーナの表情はムッとしている感じだ。


「あぁ...特に奴は我々『女』の敵だな。」


「...あぁなるほど。」


確かに俺は女型アバターだから絡まれるな。あ、言い忘れていたが今は仮面をつけていない。つけようとしたら二人に「可愛いから勿体無い」と言って止められた。何故だ。
















先ずは冒険ギルドだ。こういうギルドとかに入っておけばいざという時に役に立つことがある。何かと組織に入っておいた方が得することもあるからな。

ギルドに入ると中は喧噪としていた。右側には酒場があり、左側は受付となっている。国王やへレーナには外で待っててもらった。国王は良いがへレーナは顔が割れていると思うのでできるだけ有名にはなりたくない。


俺はそのまま受付に向かい受付嬢に話しかけた。


「済まない、ギルドへの登録はここで出来るか?」


「はい、登録ですね。それではこの紙に名前と性別、職業を書いてください。」


さてと、えぇーと名前はシラフ=エイジと。性別は...女...ぐぬぬぬぬ...。


「?どうかしましたか?」


少し書くのを躊躇っていたら受付の人が心配したのか聞いてきた。何とか誤魔化さないとな...。


「えぇと...職業って何を書けば?」


「職業は何でもいいですよ。ただふざけたものを書くとパーティーを組む時に大変なので普通に書いてくださいね。」


そうか...じゃあ軍人でいいか。さてと、これで出しますか。


「はい...登録完了いたしました。こちらがライセンスカードです。ギルドにはランクというものがあります。ランクは下からF、E、D、C、B、A、Sの7段階です。初期はFですが、依頼をこなして行けばランクが上がっていきます。ここまでで質問はありますか?」


「いえ、特には。」


「分かりました。...それでは頑張ってくださいね。」


さてと、登録も完了したしさっさと戻りますか。二人を外に待たせてるしな。


「ちょっとお待ちください、お嬢さん。」


何か声をかけられた気がするので振り返るとバリバリ貴族風の青年グループがいた。だいたい4人くらいの。


「何ですか?」


「これから食事でもどうですか?」


なるほどナンパか。どの世界にもナンパする奴がいるんだな。ナンパは女の敵。こいつらがさっき言っていた奴の事か。


「お断りします。外で知り合いも待っているので。」


「まぁまぁ、俺たちと一緒に行った方がいいぜ嬢ちゃん。」


今度はグループの中の暴れん坊的存在の奴が出てきたな。見た目が完全にチンピラなんだが。


「お断りします。しつこい男は嫌われますよ。それでは。」


「おいてめぇ...調子乗ってんじゃねぇぞ。」


やった本性を現したか。まぁこういう展開ってテンプレですよね。さっさととっちめますか。


「おや、やっと本性を出したましたね。ケダモノ。」


「んだとゴラァ!」


「よせ!やめないか!」


暴れん坊は青年の制止を聞かずに突っ込んできた。あのまま止まっていれば痛い目にあわなくて済んだのになぁ...。まぁ挑発したの俺なんですけどね。


「どうなっても知りませんからね。」


「言ってろこのクソアマ!」


暴れん坊が殴りかかってきた。取り敢えず軽く殴って黙らせますか。ほいさっと。


「がぁ!」


暴れん坊は青年グループに飛んでいき、そのまま動かなくなった。まぁ死んではいないからセーフだな。しかし、結構軽く殴ったんだが派手に飛んでったな。


「ナンパはせめてちゃんと相手を見るべきですね。」


俺はそう言い残してギルドを出た。こんなナンパに時間を使うのは勿体ないしな。

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