予感-21
~午後4:57~
俺は嫌な予感のことを頭の片隅に置きながら研究省と連絡を取り合っていた。
「あれから進展はあったか?」
『あの後に石油や鉄、クロム、アルミ等のすべての資源を見つけることが出来ました』
「そうか...。」
まぁ普通ならここまで早く資源は見つけれないとは思うが忘れないでほしい、元は『ゲーム』と言うことだと。ゲームならばたった数分で建築をしたり生産をしたりすることが出来る。どうやらそれもそのまま持ってきているようだ。
「すぐに研究を始めろ。優先順位はミサイルだ。」
『分かりました。すぐに開始します。』
よし、これで本土防衛がしやすくなるな。それに敵の主要都市に攻撃しやすくなる。これで外交の切り札がまた一つ増えたな。
「そう言えばシャメルは今どうしているんだろうか...。」
前回通信してから一切つなげてないしな。つなげてみるか。向こうの様子も気になるしな
「シャメル、こち『エイジさん!今どこにいるんですか!?』...帝都だが。」
『昨日帝都に向かったら居なかったんですが...。』
シャメル...王都防衛を頼んだはずだが...。まぁ俺が一方的に通信を切ったからな。
「あの後にある場所に向かってな。」
『...その場所は何処なんですか?』
「その場所は...。」
しまった...ついつい話してしまった。どうすべきか...。
「...魔の森の調査に行ったんだ。」
『帝都からはかなり離れていますが。それに王を守りに向かったのに普通は其処から離れますか?』
「ぐっ...。」
くっ...鋭い。
『それともその魔の森の奥に何かあるんですか?』
...どうやら誤魔化しきれなかったようだ。こうなったら話すしかないか...。
「...分かった、すべてを話そう。前に俺はダスベスト帝国に所属していることを言ったな。」
『えぇ...まさかとは思いますけど。見つかったんですか?』
「あぁ、それで援軍を求めたところ許可が出た。」
『本当ですか!?』
「それで今それを帝都に展開しているところだ。」
まぁ森の奥にあるものについてはすべて話した。俺の立ち位置に関しては一切教えてないがな。
『あぁ、それと防衛が終わったら一度こちらによってください。』
「何故だ?」
『遊撃隊に入隊したいという希望者が入隊届を持ってきたのですが...数が多いんです。しかも入隊届の処理は隊長、つまりエイジさんじゃないとできないんです。』
もしかしてだが前の王都防衛と帝都襲撃の件で増えたのか?そこまで増えてなければいいが。
「...どの位だ?」
『軽く見積もって400枚はあります。』
マジかよ...。正直一時的なものとして作るつもりだったがこれ、じゃあ正規部隊になりそうだな。しかも正直言ってしまうと普通の奴はいらん。特殊な奴が欲しいんだよ俺は。
「分かった、帰りに寄る。」
『お願いします。』
さてと、それじゃあ陣地がどのくらい出来上がったかどうかを見に行くか。
「こりゃ凄いな...。」
目の前には塹壕やテント等の設備がキチン整えられている。ほぼ出来ているようだ。流石ゲーム。
「あとは敵を待つだけだが...。」
せっかくだから偵察をしてみるか。ここから少し離れたところだから高速飛行ならすぐに着くだろう。
「嫌な予感の正体にも気になるからな...。」
俺は見つからないように出来るだけ高いところから探すことにした。
「見つけた。」
俺の真下には火をつけて野営をしている大人数の集団がいる。この規模なら間違いはないだろう。
「近づいてみるか。」
ばれないようにゆっくりと低空から近づき双眼鏡で偵察する。辺りも暗くなり始めたころなのでバレにくさは増している。
「ワイバーンもいる...報告通りだな。」
少し他の物も探すといろんなものが見つかった。
「見た感じ正規の兵士は少ない感じがするな。しっかりとしている装備の奴はほんの一部しかいないな。流石に徴兵された兵を殺すのは抵抗があるが...仕方ないか。」
そして偵察を終わろうとし、少し強めの風が吹いた時だった。
「!?」
奇跡的に風が吹き武器庫と思われるテントの中の武器の形状を判断することが出来た。その形状は、
「鉄の筒と木の柄で出来ている。恐らく遠距離武器...。」
確かにこの世界は中世。中世にも確かに銃は存在した。恐らく魔法か火薬かどちらかで作られているものだろう。しかし...
「だとしたら大砲や艦載砲がある可能性もあるな...。」
俺は作戦を練り直すためにすぐに帝都へ戻った。
俺はそのまま陣地に戻ると帝都防衛部隊隊長の『石塚』と会った。
「閣下、どうしましたか?気分がすぐれないのですか?」
「気分がすぐれないどころの状態じゃない。すぐに作戦を練り直す。」
「なぜですか?」
「...敵にマスケット銃の存在を確認した。油断したら死者が出る。出来るだけ相手の射程外から仕留める。」
「了解しました。」
どうやら今夜は寝るのは遅くなりそうだ。部下のためにも、そして俺が罪悪感を感じないために作戦を再び練り直そう。敵は一人たりとも逃がさないつもりで行くか。無理だと思うが。




