プロローグ-1
初心者ですのでガバガバな設定なのは許して下さい...
とある会場の巨大なテレビ画面に戦場とそこにたたずむ仮面をつけ軍服を着た人物が映し出されている。
『第57回大会の優勝はシラフ=エイジ選手だー!』
その会場でアナウンスが響くと同時に歓声や雄叫びが響く。そこにいる誰もが巨大な画面に映る人物を祝福していた。
この会場は『バレット オブ ガン』と言うVRFPSの世界大会会場で、俺はそこの『優勝』した者だ。ちなみに俺は天才でも秀才でもない。ただの廃人ゲーマーだ。
「ふぅ...ギリギリだった...。」
俺は大会が終わり現実に戻るためにメニューを開く。設定の欄からログアウトのボタンを押そうとした瞬間に突然世界が暗転した。
これはまさか稀に起きるエラーか?まぁ慌てることはない。こういう緊急事態の時の為に必ず参加者の近くには数人の医者や看護婦、VR技師がついている。このまま待っていればすぐに戻れるはずだ。
少しすると目の前にいきなり光が差し込んでくる。しかし、俺の目に入った風景は大会出場選手部屋ではなく、白い部屋だった。
その白い部屋には出入口もなければ通気口もない部屋だった。現実かゲームかを区別するために俺の服装を見ると軍服を着ていた。顔を触ろうとすると仮面の堅い感触が伝わってくる。つまりここは『ゲーム』の中。
そんな事を考えているといきなり正面にギリシャ神話的な服装をした男がいきなり現れた。俺は反射で身構えると、男は頭の中に響く声で直接語りかけてきた。
『まて、人間よ。早まるでない。』
「人間?あんたも人間だろ。」
俺がそう問いかけるとその男は笑いながら問いに答える。
『我は人間ではない、神だ。もっとも、お主が話しやすいように外見は人間にしているがな。』
「そりゃどうも。で、その神様は俺にいったん何の用なのよ?」
神はようやく本題に入るようで笑っていた顔を真剣なものに変えた。
『なに、簡単なことじゃ。お主には異世界に行ってもらうぞ。先に言っておくが特典付きじゃ。』
「...なぜ俺が異世界に行かなければならないんだ?」
神は真剣な表情を崩さずに受け応える。
『神の気まぐれじゃ。』
「...は?」
何言ってんのこいつ。もしもだけど神の気まぐれで異世界行くのもしその異世界にゲーム無かったらどうすんだよ。俺ゲームに全て捧げてきたからゲーム以外何もやりたくないんですが。っていうか俺以外の奴でもよくね?
...一旦落ち着こうか。まずは異世界の時代確認。
「その異世界の時代はだいたいどれくらいだ?」
『だいたい中世じゃな。機械なんてものはできてすらおらん。』
「Nooooooooooo!!」
神は俺の心を見透かしていたと言わんばかりに機械の存在を否定した。ゲーム無いじゃん!どう考えてもゲーム無いじゃん!Oh my god!
『案ずるな、お主にはその体があるじゃろ。』
「体...?」
一度俺の体を確認する。どこからどう見ても『バレット オブ ガン』(Bog)の...ってまさか!?
「もしかしてだが...このFPSの機能を引き継ぐのか!?」
『その通りじゃ。もっとも完全に受け継ぐわけではない。データはほとんど消える。じゃが一つだけ何か引き継ぐことはできる。』
しかし、FPSの機能を持っていけるとして懸念することはいくつかある。まず一つ目は『武器ポイント』を稼ぐ方法だ。武器ポイントが稼げなければ武器や弾薬、防具に至るすべての物を買うことはできないのだ。
二つ目は『ステータス』だ。ステータスはBogの中ではかなり重要と言われるほどの存在で、ステータスを見ればどのようなプレイスタイルかはだいたい分かると言われるほどだ。ちなみに俺は筋力と素早さに全振りしている。
この二つが懸念される事項だ。
「神さん。Bogの武器ポイントは向こうではどう稼げるんだ?」
『簡単なことよ、向こうでは魔物がおる。そ奴を倒せばポイントが手に入る。』
「そうか、じゃあ受け継ぐものを決めたよ。ステータスを受け継いでくれ。」
『そうか...うむ、受け継がせたぞ。それでは早速だが向こうに送る。達者でな。』
「は?チョマテヨ。せめて俺の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺の心からの叫びは神には届かなかったようで、俺の体はポリゴン片となって消えた。