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「ワタクシも地元じゃ負け知らずの残虐アミーゴと呼ばれてきました。幽霊なんて非科学的なものを恐れるはずがありませんわ。ええありませんとも!」
ハギは拳をグーに握って断言するけど、力強いってよりは追い詰められてヤケになったようにしか見えない。
(そもそも魔法を使うエルフの方が、よっぽど非科学的ッス)
テツヤはそう思うけど、ぶん殴られてダウンしたままのネリキリを前にして言えるはずもナッシング。
「いいんじゃないのか、本人もああ言ってるんだし」
ラスクにも言われて、テツヤも心配しつつ受け入れることにした。
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そう決まってからは急展開。
すぐにネリキリの人脈で地主を見つけ出した。
「いやあ、この度はあの屋敷をご購入いただけるということで、実にありがたい。イッヒッヒ」
地主は50歳近い人間の男で、金歯をむき出しにしてイヒイヒ笑う。
うさんくさいこと山のごとしだ。




