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#90
「えーと、とりあえず仲間に入れてもいいんじゃないッスかね?」
「そうですね。後で邪魔になったら始末すればいいんですし」
「だから聞こえてるって」
ラスクの訴えをスルーして、ハギが向き直る。
「ではこの4人で、ペリン商会をぶちのめしてやりましょう」
「ワシも賛成だ」
「オレも」
「じゃあ決まりッスね」
結論が出たところで、ハギから提案。
「それではまず、ワタクシたちのチーム名を決めましょう」
「チーム名?」
「チームの名前のことです」
「いや意味はわかるッス」
テツヤが聞きたいのはそういう小ボケじゃない。
「集団での呼び名があった方が、何かと都合がいいんです。ペリン商会の連中に、ワタクシたちの存在を刻みこむ意味でも」
「場七組とか月餅会みたいなもんッスかね」
確かに個人名で呼ぶよりも、『場七組の誰だれ』って呼ぶ方が通りがいい。
「実はもう考えているのです」
そう言うと、ハギはカウンターの羽根ペンを勝手に取り上げて、メモ用紙にサラサラと書きつけた。
「いかがでしょう?」
「……いや、読めねえッス」




