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中年男を襲ったのは、よく見れば賭場でぶん殴られてたコボルドの青年。
手に持ってるのは、どっかで拾ったらしき鉄パイプ。
どうやら中年が宿に戻ってきたのを見て、ずっとチャンスを窺ってた模様。
「ふざけやがって、ふざけやがって」
不意打ちのパンチを喰らって気絶したものの、今度は逆に不意打ちでリベンジ。
「えーと、ややこしくなってきたからいっぺん整理するッス」
放っとくと中年が死んじゃいそうだったので、テツヤが止めて落ち着かせる。
「このデブはペリン商会の味方なんスか敵なんスか」
カヌレは鼻血を垂らしながら、ヨロヨロと起き上がる。
「どっちでもねえよ。みかじめ料の集金で入ろうとしたらそいつが出てきて、中で賭場開いてるって言いやがったんだよ」
つまり最初からカヌレたちを利用するつもりで近づいたようだ。




