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プラリネ・ペリン。
ペリン商会の代表者。
ここロボトムの町で、あらゆる非合法な行為を牛耳ってる事実上の最高権力者。
そのペリンに取り上げられたなら、テツヤのドスが戻ってくるのはほぼ絶望的。
けど、そんな理屈はハギにとっては知ったこっちゃない。
「なら取り返してきなさい」
「無茶言うなよ、返せなんて言ったら親分に殺されちまう」
「だったら今ここで死にますか?」
放たれた炎がカヌレの耳を焦がす。
「ぎゃああああ!」
迷いが一切ナッシングなハギの攻撃を見て、さすがにテツヤもドン引き。
(魔力が戻ったエルフって、ここまで極悪なんスか)
テツヤもネリキリも宿の偉い人も、カヌレの手下のゴブリンたちさえ手出しできない中で、たった1人口を挟んできたヤツがいる。
「おいおい、ペリン商会も落ちたもんだな。女1人相手に何を手こずってんだよ」
カヌレに泣きついて賭場のことをバラした、あのクソデブ中年男だ。




