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#8
「あれ、干柿、どこッスか?」
直前まで源泉かけ流しでバンバン湧き出まくってたアドレナリンが一気にトーンダウンして、代わりに不安そのものってな具合のボイスが漏れる。
そこへ駆け寄ってきた構成員が2人。
「え?」
テツヤがまだ事態を把握できないうちに、後ろに回った1人が全力で腰にキック。
「ぎゃっ」
前のめりになったところで、もう1人が手に持ったガラスのかったい灰皿で頭をガーン。
「ぎゃあ」
前と後ろから攻撃を受けて、抵抗もできずうつぶせに倒れるテツヤ。カーペットがフカフカだったのが唯一の救い。
けど相手はさらに何人か加わって、まさに文字通りの踏んだり蹴ったり。テツヤはドスを持った右腕を踏みつけられて、反撃どころか鞘から抜けもしない。