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#7
テツヤはしばらくそのままビカビカを見つめて、ドスを鞘に戻した。
それから目を閉じて深呼吸。
アニキの言ってた通り、頭の悪いチンピラでしかないテツヤにとって、これは何者かになれるたった1つのチャンス。
もちろん失敗して死ぬリスクもあるけど、一生チンピラで終わるくらいなら、ここでドカンと勝負するしかない。
テツヤは覚悟を決めて、ビルの隙間から全力ダッシュ。
「干柿ィ、覚悟しろやオラァァァ!」
叫びながら店へ駆けこんで、ドスを抜こうとして――
「えーっ!?」
手が、ていうか全身がストップ。
なぜなら調べてた席に干柿の姿はなくて、空席を囲むようにして暴力のプロフェッショナルな方々がズラーリ並んでお待ちかね。
テツヤは初めて見る顔ばっかりだけど、月餅会の構成員たちなのはほぼ必定。