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#54
色々と味わう余裕のない朝食も終えて、改めてテツヤは尋ねる。
「で、この後どうするッスか?」
「昨夜も言いましたが、ワタクシたちの目的はあのクソゴブリンどもを血の海に沈めて、テツヤさんのショートソードを奪い返すことにあります」
「何も殺さなくても」
昨夜から引き続いて説得を試みるテツヤだけど、ハギは徹底して我がウェイをゴーイング。
「ですが、色々と準備が必要です。なのでワタクシはいったん、王都の宿に戻って荷物を取って参ります」
「森を抜けるんスか? また迷ったら危ないッスよ」
「魔力の戻ったワタクシに怖いものなどありませんし、そんな面倒なこともいたしません」
テツヤが「じゃあどうするんスか」って尋ねるよりも先に、ハギは窓の外を指さす。
「空を飛んで行きます。これなら迷う心配もありません」




