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#51
「こ、これからどうするッスか?」
ベッドから半身を起こしたテツヤがおそるおそる尋ねると、ハギはなぜか仁王立ちになって告げる。
「その前に、机を戻すのが先ですわ」
「そういえば、寝る前に動かしたッスね」
テツヤがそう言って机まで近寄ったところで、何かに気付いた様子。
「この机、ちょっと動いてないッスか?」
ほんの数センチだけど、ドアにぴったり付けておいたはずの机に隙間が開いてる。
「よくぞお気付きになりました。人間の分際で」
「だからほめたいのかディスりたいのかどっちなんスか……って、これどゆことッスか? まさか心霊現象? うっぎゃあ怖えー!」
「落ち着きなさい、そんなの決まっていますわ。何者かが外から、ドアを開けて中へ入ろうとしたのです」
仁王立ちのままでハギが答えるけど、テツヤは納得してない。




