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ドスとエルフと異世界抗争  作者: 汐留ライス
Prologue 罠と電話とメアリーちゃん
5/350

#5

『いいかテツ』

「テ……へい」

 ギリギリでこらえた。

『今のおまえは頭のわりい、中卒のチンピラだ。けど刑務所ムショ帰りってなりゃあハクが付くし、何より月餅げっぺい会幹部の干柿をったヤツとなりゃあ、組が放っとくワケがねえ』

「へいっ!」

 元気よく答えるテツヤ。さっきまであんだけ物音立てないように注意してたのは、もはや脳から完全にロスト。

『だから安心して行ってこい。おまえの居場所は、俺がちゃんと空けといてやる』

「へい、オイラ殺ってくるッス! 絶対に干柿の命、獲ってやるッス!」

 通話が終わってもテツヤの興奮は冷めないまま、直立不動のまま鼻息も荒く「ウーッウーッ」ってうなってる。傍から見たらもはや完全に不審者。

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