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#39
「おうおうテメエ、汚らわしいたあ随分なご挨拶じゃねえか。この落とし前、どうつけてくれるんだ、アァン?」
それまでの作り笑いを捨てて、こっちへすごんでくるゴブリン。
(やっぱコイツ、こっちの表情の方が合ってるッス)
なんて思ってる間に、今までずっと潜んでたのか、店の中から路地の裏から荷馬車の陰から似たような格好のゴブリンがわらわらと湧いて出てくる。
「おうどうしたどうした」
「なんでえ、人間とエルフか」
「やっちまえ」
10体近くはいるだろうか。1体の戦闘力ならさっき会ったオークの方が上だろうけど、これだけ数が多いとそれはそれでプロブレム。
「……」
ハギは自分たちを取り囲んだゴブリンたちにガンを飛ばしつつ、アロハの裾を握る手に力をこめる。
(頼られてるッス)
行為自体は嬉しいけど、その期待にどうすれば応えられるか。テツヤは思案する。




