#327
「あーっはっは、警官どもなんか全員むっ殺してやりますわ! こんな警察署もぶっ潰して、跡地をお花畑にして差し上げましてよ。メルヘン!」
凶悪な魔法をボッカンボッカン放って、すっかりテンション上がってるハギ。もはや破壊の権化っていうか、破壊に手足が付いて歩いてる状態。
「脅えなさい逃げなさい泣き叫びなさい! 邪魔するヤツは1人残らず粉々に爆破して、お花畑の肥やしにして――」
テツヤはすっかりご満悦のハギに歩み寄ると、後頭部にチョップ。
「何やってるんスか」
いい気分のところを邪魔されたハギは、振り向いたところでテツヤに気付く。
「あらテツヤさん、奇遇ですわね」
「奇遇じゃねえッス。オイラを助けに来たんじゃねえんスか」
「え?」
キョトンとするハギだけど、だんだん思い出してきた模様。
「あー、そうですわ。もちろんでしてよ」
めちゃくちゃ目が泳いでる。忘れてたのはほぼ確定。
「どうするつもりッスか、こんなにぶっ壊して」
直接のターゲットになった警察署はもちろんのこと、周りの店やら民家まで容赦なくぶっ壊されて、あちこちから火の手まで上がってる。
「これはワタクシだけのせいじゃなくってでしてよ」
「じゃあ誰がこんなことするんスか」
するとハギの背後から別の声。
「この町に住んでるみんなだ」




