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#3
『うるせえ、俺がテツって言ったらおまえはテツなんだよ』
アニキの威圧感バリバリなボイスにビビったテツヤ、直立不動からさらに背中を反らそうとして、ビルの外壁に元気よく頭をゴーン。意識が飛びそうになりながらもこらえて続ける。
「へい、アニキの言う通りッス。テツヤなんてヤローは、この世界に存在しねえッス!」
『いや存在はするだろ……』
テツヤの勢いに軽く引きつつ、アニキはすぐ本題に戻る。
『それより、様子はどうだ』
「へい、アニキの言ってた通りッス。干柿のヤロー、店の入口に車を横付けしてから、車は帰して自分だけ店に入ってったッス」
『つまり今、干柿は店に1人か……』
「アニキの言ってた信頼できるスジからの情報って、本当だったみたいッスね。さすがアニキ、マジパねえッス!」
自分が調べたワケでもないのに、なぜかドヤるテツヤ。超うぜえ。