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#25
全力でツッコむテツヤを見て、少女は多少落ち着いた模様。
「それはそうと、ワタクシはハギとおっしゃいます。見ての通りエルフですわ。人間、貴方は?」
「え、えーと。オイラはテツヤッス」
相変わらず丁寧なんだか失礼なんだかジャッジメントに困る口調に圧されつつ、テツヤも素直に名乗る。
「こんな暗くてジメジメしたところで立ち話をしていても仕方ありませんわ。ひとまず森を出ましょう」
「へ、へい」
テツヤの返事も待たないで勝手にずんずか歩きだすハギの背中を、慌てて追うテツヤ。助けたのはテツヤなのに、なぜか主導権を握られてる。
これはある日いきなり剣と魔法の世界へ転移した鉄砲玉のチンピラが、右往左往しながら異世界で自分の居場所を作ってくお話。
「ところで、ここって新宿のどの辺スか? やっぱ御苑ッスか?」
ただし、本人はまだ気付いてない。
★アニキ語録
『俺らみたいなモンはよう、ナメられたらおしめえなんだよ』
ここではアニキがオイラに教えてくれた、マジかっけー言葉を紹介するッスよ。




