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#18
エルフみたいな少女はテツヤの存在に気付かないまま、目の前を駆け抜ける。
「ああ、ちょっと待ってッス! ここどこなんスか?」
少女の姿に気を取られてたテツヤが、我に返って声をかけても間に合わない。すぐにその背中が遠ざかり、見えなくなった。
「何か逃げてたみたいだけど、誰かに追われてるんスかね?」
ふと浮かんだテツヤの疑問を答え合わせするみたいに、すぐさま背後から別の足音。しかも今度は数が多い。
「どわあ!」
現れた集団を一言で説明するなら、武装した豚。
レザーか何かでできた鎧を着て、槍を構えた豚の群れが、二足歩行でドタドタ走ってる。
(こっちはみたいとかじゃなくて、どう見てもオークッス!)
オークの群れはこれまたテツヤをガン無視して、少女の逃げてった方へまっすぐ駆けてく。その数なんと6体。
(女の子1人を追っかけるにしては多いッスね)




