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＃16
「……あれ？」
いつまで待っても食われる様子がないから、おそるおそる目を開けるテツヤ。
直前まで店の中にいたはずなのに、周りは木とか草とかバンバン生えててどう見ても屋外。ていうか森。
おまけにメアリーちゃんどころか、干柿や月餅会の構成員たちもいない。
「どゆことッスか？ ねえ、これどゆことッスか？」
尋ねてみたって、答えなんかあるはずない。
「……」
誰も答えてくれないから、しょうがなく起き上がるテツヤ。
その手にはまだドスがある。
軽く右腕をさすってみると、ずっと踏まれてたから痺れはあるけど、どうやら折れてはなさそう。
額からドボドボ出てた血も止まったようで、顔に触れたら乾いた血がパリパリになってるのがわかる。
けど、そんなことよりプロブレムなのは。
「そもそもここ、どこなんスか……」
もちろん返事はナッシング。
