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#13
「え、どゆことッスか?」
「メアリーちゃんを連れてきなさァい」
テツヤの問いをサクッと無視して、干柿が店の奥に声をかける。
すぐに出てきたのは、子牛って言われたら信じそうなくらいにでっかいドーベルマン。
構成員が2人がかりでリードを持ってるけど、明らかに力負けして引きずられてる。
「あの子がウチで飼ってるメアリーちゃん。カワイイでしょう」
いかにもメス犬っぽい名前だけど、飼い主の干柿自身が男だか女だか判断つけにくい状態だから断言はできない。
「前に死体の処理に困ったことがあってねェ、試しにメアリーちゃんに食べさせてみたんだけど、それ以来フツーのエサじゃ満足してくれなくなっちゃったのよお」
「死体の処理に困るってシチュエーション自体が異常ッス!」




