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#12
干柿の変わりっぷりに、納得いかないのはテツヤ。
何しろ、店に入った時はスーツ姿だったんだから。
「テメー、干柿! コレはどゆこと――」
言い終えないうちに、さらに蹴り。
「干柿さんだろうが!」
月餅会の構成員たちにげしげし蹴られまくるテツヤ。
それをストップさせたのは意外にも、狙われた張本人の干柿。
「さっき電話で話してるのも聞こえてきたけど、どうせその子って組員じゃないんでしょ? だったら締め上げたって意味ないじゃなァい」
「そうッス、オイラただの下っ端だから何も知らないッス!」
オネエ口調の干柿に対して、全肯定するテツヤ。もはやキャラがどうとか気にしてる場合じゃない。
そんなテツヤのシャウトに、干柿は「ねー♪」って気色の悪い笑みを浮かべてから続ける」
「だ・か・ら、さっさと殺しちゃいましょう」




