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虐められていた最強高校生  作者: んれる
警察の腐敗

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親衛隊 彰吾 綾佳と片付け

 「大丈夫なんですか!?氷菜ちゃんこんな状況に遭遇した事ないんじゃ。」


「遭遇した事はありませんけど、氷菜なら大丈夫です。」


2人は階段を上りながら、そう会話をする。


氷菜の事はあまり知らないからか、栄子は後ろを気にする。


義昭は軽く微笑みながら、栄子の手を引っ張る形で一段一段上っていく。


「あまり氷菜は聞きたがらないので、いる時は言いませんが」


上り終わる直前に、栄子の手を離して


「彼女は、努力の天才なんです。」


と、満面の笑みで振り返って言った。


少し動揺していたが、自信たっぷりの義昭を見て、栄子は何も言わずに笑顔で帰した。


 そして、上り終わると慎重に廊下を2人で見渡す。


すると


「来たみたいだね。」


男性の声がどこからともなく聞こえ、右に左にと視線を向けていると


ゲームなどで聴くようなワープする音がして、義昭達が気になっていると


「こんにちは、お二人さん。」


パソコンを片手に持ったメガネの青年と、刀を腰に差した女性が並んで現れた。


突然の出現に、義昭達は驚きながらも


「綾佳さんと彰吾くん。」


栄子が名前を呼び、身構える。


これまでの流れで戦う事を察した栄子がファイティングポーズを崩さずに、話しかけようとすると


「栄子さんは上で、決着を付けてください。」


義昭に邪魔をされ、行き場のない勢いをどうにかしたい栄子


少し不満気な栄子が、義昭を軽く睨むと


()()()()なんですから、後始末お願いしますね。」


圧を感じる笑顔を栄子に見せると、言われた事も含めて小さくなった。


もう一度お願いしますと言うと、怖がりながら階段を上り始める。




 その時


「全く、責任はアイツに支払わせてやるよ。」


と呟きながら黒い笑みを浮かべていたのは、あの場にいた3人は気付いていない。



 栄子を見送った後で、綾佳と彰吾に目を向けると


「良いのですか?実力があるとは思いますが」


「はい。問題ありません。」


綾佳の問いに軽く答えた義昭は、目に見える様に手のひらを見せ、指を一本曲げた。


すぐさま気付いた綾佳が、能力で防いで義昭の方を見ると彼は笑っていた。


だが、栄子に見せた笑みとは違う餌を見つけた獣のような猟奇的な目を覗かせていた。


………………………………………………………………………………


 1人になった栄子は、先程までとは違い一段一段ゆっくり歩いていた。


笑顔や慌てた顔をしていた時と違い、その顔には陰を感じさせる。


上り終えてもその顔は下を向いたままで、何も喋らずひたすら誰かが来るのを待っていた。


いや、出てくるのを待っていた。


「てっきり来るのは日出 義昭だと思っていたよ。」


()()の不始末は私が片付けなくちゃいけないらしいんだ。」


肩を竦めて話す姿は、うんざりしているような含みを感じる。


一室から現れた古川 吉二郎を前に、栄子は1人になってから一切変えない真顔でみつめる。


人形のように変わる事のない顔に、吉二郎は少し不気味に感じながら問いかける。


「俺はもしかして()()()()()()と戦うのか?」


「ハハっ、そんな訳ないじゃん。自分の能力過信しすぎ。」


吉二郎からの質問に、嘲笑しながら答える栄子は、表情が変わらないながらも真実であると伝えてくる。


その返答に、吉二郎の顔には安堵が浮かぶ。


彼女の本気を知っているからこそ、心から安心している。


「まぁ、片付けろって言われちゃったし、今の貴方が相手なら2割くらいで良いかな。」


「2割も出してくれるなら、少しは認めてくれてると喜んでおくよ。」


「自惚れてるなぁ。義昭くんの攻撃を避けるのに6割使ったんだから。劣っている事を受け止めなよ。」


笑顔が見える吉二郎と、無表情のままの栄子


正反対の2人は、やがて合図もなく歩き始める。


誰からという訳でもない。


ゆっくりと確実に2人の距離は縮んでいく。


そして、2人の距離は手を伸ばせば届くくらいに近付き


・・・お互いの顔目掛けて拳を振るった。




 そして


「よ、ようやく始めやがったな。」


その光景を陰から覗いているのが1人


「疲れ切った所を、あれで一発よ。」


塗れた笑顔で、その場を離れる。


「そうすれば、ついでに史池 栄子も俺の女に出来るやもしれん。」


到底叶いそうもない欲望が絶えず口から溢れる。


下卑た笑みで、男はある部屋に向かった。




 そして、ここは会議室に作られた秘密の部屋


ほとんど密室になるこの場所で、1人の女性が置かれたベッドに腰掛け、静かに時を待っていた。


わずかに扉から差し込む光に、彼女が持つ何かが当たり反射している。


「あの男は必ずここに来る。その時がきっと」


ゾッとする笑みが暗闇に消える。


 静かにこの騒動は終わりに向かっていた。

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