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虐められていた最強高校生  作者: んれる
警察の腐敗

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トラウマと襲来

 思い出されるのは幼い記憶


祭壇から見る人の列


それを見て満足気な隣に立つ男性


人のはずなのにそうは思えないなにか


大勢で祭壇に祀られた人物の名前を呼びながら、ひたすら万歳を繰り返している。


その祭壇に祀られているのは他でもない自分


ある程度叫び終わると、隣に立つ男性が自分に向かってきて・・・



 「来ないで!」


楓羅はそう叫びながら重く閉じていた目を開ける。


荒くなった呼吸を整えるように、目一杯に酸素を取り込む。


吸い込みすぎたのか、吐き出すように咳き込んでしまった。


少し落ち着くと柔らかい感触が頭の下にある事に気付く。


「お、(うな)されてたけど起きてこれたみたいだね。」


大丈夫?と声が聞こえる正面に視線を向ける。


そこには、穏やかな笑顔で自分を見下ろすレナだった。


「まだキツそうだし。しばらく休んでおきなよ。」


そう言われ、人生初の膝枕を堪能する事にした。


少しして、周りが静かな事に違和感を覚えて顔を上げてキョロキョロしていると


「みんなはもういませんよ。」


と、レナが答える。


「今の状態の貴女は、とてもじゃないけど戦える状態にないって判断したの。」


淡々とレナが言葉を続ける。


少し不安定な気持ちの楓羅は、自分の置かれた状況に絶望を覚えた。


置いていかれたという事実が、彼女の心に傷を付ける。


自分は必要ない存在になったのではないか。


いきなり立とうとして、足がもたついて倒れそうになる。


「大丈夫だよ。義昭くんをはじめ、みんな貴女を見捨てるような事は考えてない。」


レナが支え、取り乱しそうになる楓羅を落ち着かせようと声を掛ける。


安心させるように、心に語りかけていく。


かつてレナが自分の母親にされたように、包むように楓羅を抱きしめる。


「君が完全に落ち着いたら一緒に追いつこう。」


目を閉じてレナに体を預け、気付いたら楓羅は穏やかな寝息を立てていた。


「これはー、また膝枕かな?」


やれやれとさっき座っていたベンチに腰掛け、自分の膝に楓羅の頭を乗せる。


撫でながら、優しい笑顔が真面目な顔に戻り


「義昭くん、頑張るんだよ。」

…………………………………………………………………………………………


 「お前達は何をやってるんだ!」


警視庁の一室で田橋 俊二郎は、戻ってきた綾佳達を呼び出すと、開口一番に怒鳴りつけた。


真顔を崩さない綾佳達と、露骨に面倒な顔をするファオンは何も言わずに聞いていた。


「首相の親衛隊と聞いていたから、どれだけ強い奴らかと思えばとんだ腰抜けだったわ!」


どう誤魔化そうかとファオン達が考えていると


「まぁまぁ、落ち着いてください。」


俊二郎の秘書である 比嘉(ひが)美奈代(みなよ)が怒る彼を静止する。


それを憐れむように、ファオンが表情を変えて美奈代の方を見る。


絶えずくどくど文句を連ねる俊二郎は、勢いよく机を叩きながら立ち上がると引き出しに入れていた拳銃を手に取り


「お前らの顔を見るくらいならこうしてやる!」


綾佳達に銃口を向け引き金に手を掛けた。


しかし、急に立ち上がった事で起こした目眩に邪魔をされ明後日の方向に銃弾は飛んでいってしまう。


その様に、ファオンは吹き出し他のメンバーも笑みが顔から溢れている。


より激昂した俊二郎は、綾佳に拳銃を向け鉛玉を吐き出す。


 その時


ドン!という大きな音と共に部屋が揺れ


俊二郎や美奈代は机を掴んで耐え、一部倒れそうになるのを綾佳と勇祐が支える。


なんだ!と俊二郎が聞くより先に


「た、大変です!日出 義昭達が正面から突撃してきました!」


扉を開けると同時にすっ転んだ警察官が、落ち着きのない言動でそう報告した。


報告を聞き、顔が笑みで歪んだ俊二郎は


「お前達に挽回のチャンスをやる。今すぐあいつらを迎え撃て!日出 義昭以外は生かして俺の所へ持って来い。」


しかし、綾佳達から返事はなく顔を上げると


そこには、自分と美奈代と報告した警察官以外に人はいなかった。


「彼女達ならもう行ってしまいましたよ。」


美奈代にそう言われ、なんだかスカされた気分になった俊二郎は地団駄を踏んで悔しがった。




 「さぁて、お客さんだ!全力出してもらおう!」


報告を聞くや否や、ファオンを皮切りに部屋を飛び出し義昭達を迎え撃つため走っていた。


「あそこまで楽しそうなファオンは久しぶりだな。」


「ソウデスネ。アノコタチハヒカルゲンセキデスカラ、ワクワクスルノモシカタナイデショウ。」


それに続いて勇祐とソーファが、階段を降り下の階で走り回る。


「あーちゃん、今彼らは一緒になって行動してる。」


「分かりました。じゃあバラバラになった時にでも会いに行こうかしょーちゃん。」


さらに後ろの綾佳と彰吾は並んで何処かに消えていった。


 その頃同じ庁舎では


「ここで決める。俺達のこの国を守るために。」


ある男性は、死なば諸共と覚悟を決め


「誰かがあれに気づいてくれれば、ヤツはきっと」


君が悪い笑い声を弾ませながら、ある女性は来たるべき時を待っていた。

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