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虐められていた最強高校生  作者: んれる
警察の腐敗

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女性と夜

 吉二郎の追跡を運転手の機転で切り抜けた義昭達は、ある程度道路を逆走した後、とある立体駐車場に車を停めた。


「とりあえず休もう。あれだけ走るとガソリンが•••」


切実な事情を小さく零した運転手の言葉に聞こえないふりをしながら、義昭達も降りて休憩する事にした。


現在昼過ぎ、もうすぐ夕方になろうとしてる時間だが、バスも停められるこの駐車場には他の車が見当たらなかった。


義昭達はまだ少し余裕のない林を交代で看ながら、吉二郎が来た時に対応出来るよう警戒していた。


栄子と運転手は、携帯でガソリンスタンドを探しながらこれからのルートを話し合っていた。


 特に何か起こる事もなく夜を迎え、運転手はガラスが割れてない無事なところに全員を寄せて睡眠を取らせた。


栄子と運転手も、交代で仮眠を取りながら見張りを始めた。


 栄子が仮眠に入り、運転手が煙草に火を着け一息吐いた。


今日の出来事を思い出して、壊されたドアを見ながらまた大きく息を吐く。


そのまま、何事もなく交代の時間を迎え栄子を起こす為に後ろを振り向く。


 その瞬間


「なんだ?今のは」


悪寒が背中を走り、窓から辺りを見渡す。


だが、人影どころか動物の影もない。


気のせいと思い、栄子を起こそうと肩を揺すった。


「ねぇ。」


突然、この場の誰でもない声を聞き先頭態勢に入りながら後ろを振り返る。


ちょうど揺すった衝撃で栄子も起き、自分が感じた悪寒と聞こえた声について説明した。


訝しんだ栄子は運転手と交代して、とりあえず窓から外を見るが何も見えない。


運転手の気にしすぎだと思った栄子が見張りに入ろうと運転席に腰掛け


「貴女もいるんだ。」


 突然の女性の声に驚いて叫びそうになった。


栄子は慌てて声のした方向を見て、そこにいた存在に目を丸くしてしまった。


「少し話をしない?史池 栄子さん?」


衣服から肌の色まで真っ白な女性が栄子を見下ろしていた。


外に出て入り口の階段に座りながら、改めて栄子が女性を見る。


「どうして、貴女がこんな所に」


「私が常に議事堂のあの部屋にいると思わない事だね。」


女性の方は笑みを崩さず話すが、栄子は終始強張っていて声も上擦っている。


「自分の子供を覗きに来ただけだから、警戒しないで。」


栄子の知る限り目の前の女性は、自分がどれだけ危ない橋を渡っても情報が掴めない。


そんなトップシークレットな人物が目の前に現れて、動揺しないはずがなかった。


得ている情報といえば、この国の機関の根本を作り変えた人物である事と、()()()()()()()()()()()事だけ


「どうして貴族なんて碌でもないものを」


「誤解しないでほしいんだけど、あんな奴らにしたかった訳じゃないよ。」


肩をすぼめながら、栄子に愚痴を話す。


「作った時は、世界に対抗する為の組織って名目で作ったんだ私は」


「しかし今は、自分達にしかない力で好き勝手する集団に成り下がった。」


栄子の言葉に頷く女性は、とても残念そうな表情でぐるぐる歩き回っていた。


「話変えますけど、一三二さんに動かないで勝ったって本当ですか?」


噂で聞いてずっと思ってた事を、女性に質問し答えを待った。


歩くのをやめて、栄子を真っ直ぐ見て笑みを浮かべながら近付き


「気になるなら試す?貴女はそれなりに出来るでしょ?」

…………………………………………………………………………………


 外の音が気になって林は起き上がり、窓から外を覗いた。


「あれは•••」


外には見知らぬ真っ白な女性が立っており、その前で栄子が屈んでいる。


苦しんでいる様子はないが、今まで無かった所に傷が出来ており戦っていた事を物語っている。


食い入るように見ていると、立っている女性が林に気付いたように見えた。


やばいと思った林は咄嗟に身を隠し、気付かれていない事を祈った。


息を殺しうるさい心臓を落ち着かせ、何事もない様に


「おはよう。災難だったねー君。」


したかったが、足跡もなく目の前に現れた女性によって心臓がまたうるさくなった。


顔を近付け、林の手を取って外に出る。


「なんか見た事あると思ったら、あのおじさんの子供かー。」


納得したように手を叩いて、林から距離を取って車止めのブロックに腰掛け


「という事は馬鹿力って事か。じゃあ1発殴ってもらおうかな。」


かつて、誰かに言われたような言葉をもう一度聞いた林は、返事をして構える。


おー、と女性は感心して立ち上がり車止めのブロックの後ろに回った。


行動の意味が分からないが、殴れと言われた林は力を溜め始める。


「えっと、ここでやると周り大変な事になるかも。」


「心配しなくて大丈夫だよ。これで止めるから」


そう言いながら、ブロックを片手でひょいと持ち上げて林に見せる。


どうやって持ったのか疑問になった林だが、言われた通り全力で一発を放る。


一三二を吹き飛ばした一撃が、女性に向かって飛んでいく。


体が重くなってすぐには動けない栄子も、どうなるか見届けた。


すると女性は、ブロックを投げやすいように持ち替えて振りかぶった。


林の一撃によって出来た風圧と、女性が投げたブロックがぶつかり合う。


バスが激しく揺れて、中で眠っていた全員が起きてしまった。


その結末は


「荒削りだけど、遠慮なく殴れるのはプラス点をあげましょう。」


粉々になったブロックを見て採点する女性には、林の攻撃が届く事はなかった。

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