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虐められていた最強高校生  作者: んれる
警察の腐敗

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組織と

 「お母さん直伝とか言ってたけど、ノーモーションで首締めしてるところを見ると、お母さん暗殺者だったりしない?」


逃げられないことを悟ってへたり込んだ希乃秦 レナと、休憩で座った義昭達は先程の行動も含めて話をしていた。


彼女の目には恐怖は見えず、ただ信じられないとだけ語っているかのようだった。


「多分ですが、そうだったのではないかと思っています。」


1人だけアスファルトの上で正座をしているレナは、曖昧にそう答えた。


自分の親の事なのによく分かっていない彼女に義昭達は、顔を見合わせると


「とりあえず僕を殺そうとした理由はいいとして、誰の指示かだけ教えてもらおうかな。」


義昭がレナまで近付き、そう話して彼女を真っ直ぐ見つめた。


すでに諦めているレナは、簡単に話し始めた。


「警察の長であり、警視総監の田橋(たはし)俊二郎(しゅんじろう)です。」


普通ならそう聞けば、全員が驚くであろう内容だと思う。


だが、この空間に限れば例外になる。


誰1人として驚く事をせず、むしろやっぱりかといった表情になる。


留萌 一三二の件もあるので、嫌でも察してしまうようになっていた。


それに、とレナは続け


「今回は別の事も絡んでいて」


 と、言葉を続けようとしたその時


街中では鳴らないような地響きが当たり一面に轟いた。


街ではプチパニックが起こり、裏路地には義昭達を隠すように土煙が上がった。


咳をしながらいち早く煙が晴れた林は、目の前に現れた人物を確認し


「誰!?」


と叫んだ。


 徐々に義昭達も視界が晴れていき、目の前の人物を視認できるようになった。


さっきの地響きを起こせるとは思えない華奢な体の男性が暴れるレナを脇に抱えていた。


「おや、誰にもバレずに退散しようと思ったのに随分と目が良いんですね。」


そう言いながら、義昭達を軽く眺めて


「長居は不要です。」


その言葉の後、史池 栄子以外の名前を軽く口ずさみ、義昭の槍が届くより速くその場から消え去った。


突然現れ、突然消えた男性に全員、頭を回転させ正体を探ろうとした。


だが、史池 栄子以外は、情報網を持たないうえにほとんどの事に興味を持っていないせいで、まともな結論にならなかった。


少しの沈黙の後


「栄子さんは今の人知ってますか?」


首輪のリードを引っ張りながら、氷菜が質問する。


少し考えた後


「最初は仲間の警察かと思いましたが、思い出しても名簿にはあの顔は載っていませんでした。」


残念そうに答え、再び考える仕草を始める。


「てか、名簿って全警察官覚えてるとか言わないよね?」


楓羅が引き気味に、栄子に聞くと


「え、覚えてますよ?」


と、当たり前のことを聞かれたような腑抜けた声で返事をし、義昭も含め少し引いた。


その時に一瞬だけ林は男に違和感を覚え、義昭達に聞こうと近寄ったが


もう一度地響きが起こり、それは中断された。


 

 その頃、男と担がれたレナは建物の一室に着き、扉をノックしていた。


その建物は教会のような見た目で、中に入ってもイメージが崩れることはない。


入ってもいいと許可を貰い、入室した二人は窓際で椅子に腰掛け本を読んでいる女性に頭を下げ


「先程、日出 義昭含めその他一同の動向を直接確認してきました。」


読んでいた本を閉じ、発される言葉の全てを女性は静かに聞いていた。


「それといった外傷はありませんが、身なりはやや荒れ気味で多少の異臭もあり、人間としての生活はしていないと思われます。」


そこまで聞くと、女性は下唇を強く噛み椅子から立ち上がって、男に尋ねた。


「理解しました。牛歩と言っても差し支えない状況なのですね。」


「はい。目的地であろう警視庁はまだ遠く人目を盗んでの移動は困難を極めています。」


二人の会話を、一緒にいたレナは口を挟まずにただ居心地悪そうに聞いていた。


二人の目の前にいる女性にとって、レナが咄嗟にしてしまった行動がどう判断されるのか気が気でない。


 やがて、二人の会話が終わり女性がレナの方を向いた。


「では、レナさん。」


名前を呼ばれただけ


ただそれだけの事に、レナは寒気を覚え始めた。


「彼を攻撃した事に関する遺言はありますか?」


次の瞬間には、レナは床に顔を付け土下座の体制をとった。


「す、すみませんでした。ただ確かめたかったんです。」


レナに向けて伸ばした手を引っ込めて


「確かめる?何をですか?」


と女性はレナに尋ねた。


体を震わせながら、レナは必死に言葉を探しては口に出すを繰り返している。


「貴女様が、言う通りの実力を持っているのかと、それが本当なら私の願いも叶えられるのかと。」


言い終えると目を閉じて、歯を食いしばり来るであろう時を待った。


 だが、待ってもその時は訪れず恐る恐るレナは顔を上げた。


少し前まで無表情だった女性の顔は、少し綻んでおり笑みが浮かんでいた。


「そうでしたか。どうでしたか?」


「私の手が彼に届く事はありませんでしたが、周りの方々の実力も申し分ないかと。ただ」


まで言った直後


「もう十分です。おやすみなさい。」


と、女性の手がレナの頭に触れた。

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