僕はどうしたらいいんだよ?
「トト・・・どうしたの?」
「何がだ?」
「トト・・・泣いてる」
僕はいつの間にか、瞳からポロポロと溢れていた。生きるのが辛い。だけど、娘が死にたい。その言葉が僕には辛かった。原因は僕だから、僕が親だから。
「ごめん・・・死にたいよな?」
誰でもない。娘は応えなかった。僕は応えて欲しかった。死にたいのか、死にたくないのか。いや、死にたいんだろう。でも、もう一度聞きたい。
「トトは・・・れいが死んだら楽になる?」
「・・・」
何を言っているのだろう。―――死んだら、僕はどう生きれば良いんだよ。頼む。僕のことをもう少し考えてくれ。
「やめてくれ」
小声で僕はそう言った。ただ、娘は「うん・・・ごめん」と言うだけ。今日はもう休みたい。
○
「お前は娘を殺すべきだ」
「嫌だ!嫌だ!」
「なぜだ?」
「・・・なぜって」
娘を殺したい親がどこにいる?・・・どこに
「楽になるぞ?」
本当に?
「トト!」
「・・・」
・・・夢か。
「・・・大丈夫?」
「まぁな・・・どうした?」
「警察の・・・人がきてる。トトに用事だって」
警察だと?なんだ?・・・僕は鍵を解除しよう思ったが、躊躇う。僕は後に振り向き、逃げらる場所を探した。部屋の中はゴミ屋敷だ。使える。それに窓から娘を抱きながらでも、逃げられるだろう。インターホンが鳴る。何度も、何度も、疎しい。
「・・・」
再び、鍵を手をつけ、開ける。
「警察だ・・・娘から聞いてるか?・・・小僧」
「もう・・・小僧って歳じゃねぇ。糞野郎が。この前は世話になったな。まだ何かあるのか?」
「・・・差し入れだ。どうだ調子は」
男は勝手に煙草を加え、火をつける。
「他所で吸え」
「・・・孝則まで気をつかいたくねぇよ。友達だろ?」
友達にも礼儀をだな。
「・・・入るか?」
「・・・そう、だな」
何を驚いているんだ?コイツ?まぁいい幸世なら、逃げる必要もない。
「孝明。まだ、お前足、洗ってないのか?」
「だから?」
僕は4年前に妻を殺したのだ。
「捕まえに来たのか?」
「嫌だ。面倒臭い」
僕が言うのもなんだが、お前は刑事だろ?・・・何しに来たんだよ。