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第二話 最悪の呪い(スキル)

「あいつは天才だな」


「それは否定しないけど。俺はそう簡単に納得もできない。四歳の初めて剣を持つ子供があんな動きを・・・」


 ありえないと俺は思う。これでも剣にはそこそこ自信はあった。いや、負けたのはいい。油断もあったし。だけど、俺は自分の弟に得体のしれない不安を感じている。


「まぁ、お前が言いたい気持ちもわかる。正直初めて剣を握った人間の動きじゃない。でも、生まれてからずっと見てるんだぜ。できたのはせいぜい見取り稽古」


 そうだ。それがわかってる。ほかの人間ならともかくずっと一緒に暮らしていた自分の弟だ。どうやっても学べるわけがない。


「それについてはスキルだと思っている」


「スキルってそんなにすごいもんなのか?」


 よく聞く名前だが鑑定できるのは一部の人間だけだ。王都のほうにいくか。ギルドに入るかしないと見れない。


「俺もお前も剣士のスキルは持ってるんだぞ」


「そうなのか」


 初耳だ。自分のスキルでさえ知らないで過ごす人間は多いから無理もないと思うけど。


「あぁ。だからほかに比べて剣の実力や習得率が高い。だけど、中に入るんだよなぁ。上位スキル保持者が」


「上級スキル?」


 それは初耳だ。スキルに上級も何もないとおもっていた。


「普通は剣士を鍛えて上級剣士になるんだが。ちなみに今の俺は最上級剣士な。まれにそれをはじめから飛び越して持ってるやつがいるんだよな。そういうやつはなんていうか。自分の子供に言うのもあれが根本的に違う。別種のものだ。あの子は俺と同じ最上級剣士か。もしくは・・・剣聖」


「剣聖ってスキルなのか。てっきり英雄の称号だとばかり」


 剣聖って名前がついている歴史上の英雄。いや、今生きている人間だって何人かいる。みんな噂を聞くだけなら化け物だ。


「まぁ確証はないがな。だから気にするな。まぁ、お前が気に食わないのもわかる。フレットのためだろう。次期当主であるあいつをなるべくかすめさせたくないもんな」


「あいつは剣を握ると絶対に手加減なんてしない。そういうのが今日よく分かった」


 あの最後の技。あれは半分偶然というかかけだったはずだ。まともにやれば百回やって百回とも俺がかつ。当たり前だ。地力が違いすぎる。だけどファバルはまともな負けよりも僅かな勝ちを選ぶ。負けず嫌いなんだろう。


「あいつは八歳になったら騎士学校に入学させてそのまま騎士にする。陛下の役にきっと立つだろう。まぁ、礼儀作法になんがありそうだけど」


「この家で収まる器でないことだけは確かだと思う」


 ついこの間まではかわいかった弟が今はなんか別物に見える。俺はあいつを今後弟してみる事ができるようになるだろうか。





 俺はあの試合をきっかけに少し早い剣の修業を許された。許されるまでにかかった時間は三日間。リキルドが包帯まみれになって一週間動けなくなった。


 そして、俺が八歳になったら騎士学校に入学させることも聞いた。正直第一希望としては冒険者だったのだが。まぁ、誰かのために剣をふるうのもいいと思う。俺の目的にはそれてはいない。ただ、問題は礼儀作法だった。そのことにはフィリアも大賛成で鬼スパルタが始まった。


「まって、貴族だから礼儀作法が必ず必要だと思わない。父さんだってほら」


 無精ひげを生やして脳筋のリキルドが礼儀作法できると思わない。そう主張したらリキルドから熱い拳骨をもらった。


「父さんだってな。やればできるぞ。ところでフィリア。ナイフってどっちから使うんだっけ?」


「父さんは必要な時に1週間前からわざわざ再教育しなおしているんです。あなたもそうなりたいのファバル?それに貴族と騎士ではまた違うものよ」


 うんリキルドはいい反面教師だ。ここまでにはなりたくない。



 剣の修行と礼儀作法。一般的な教養(さすがに計算関係は俺のほうが圧倒的に高いのでそれだけは大丈夫だった)と剣の修業を繰り返していたらあっという間に八歳の誕生日を迎えた。


「明日から騎士学校行くお前に渡したいものがある」


 リキルドは真面目な顔で持っていた包みを広げた。そこにあったのはもともと外見から予想していたのだがやはり剣だった。


「そこそこ名工に打たせたから結構高かったぞ。お前専用の剣だ。騎士学校行くのにさすがに剣も持ってないのでは恥ずかしいだろうからな」


 見ただけで剣の輝きが普通と違うことがわかる。


「本来なら刀がお前の使い方にあってそうな気もするんだが。あれは打てる人間も少ないし。騎士には向いてないからな。まぁ、重いかもしれないがもってみろ」


 初めて本物の剣に触れる。今まで修行では絶対に本物の剣には触らせてくれなかった。


「うわぁ」


 思わず感嘆の声が上がってしまう。重さ。剣の輝き。興奮しないわけがない。


『スキル。ソードイーターの解放条件1が揃いました』


 頭の中に不気味な声が響き渡った瞬間。剣に亀裂が入った。そして、柄から粉々に壊れてしまう。


「なんだと・・・」


 その時初めて俺は自分の呪いに気が付いた。


一気に二話投稿です。てかさっき一緒にまっぜて置くべきでした。さすがに眠いです。これから寝ても睡眠時間2時間しかありません。次回から冒険者辺に行くはずです

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