訓練室でバトル 2戦目
「ニーア。出番だよ~」
「頼んだ。シエラ」
お互いのサーバントを出した。
「フィールドは・・・森林だね」
「互いに有利な場所だな」
「どかうかな~。ニーアの方が一枚上手だと思うよ~。どうする?今なら変えてもいいよ」
「雪の方こそ、変えなくていいのか?」
「続行だね」
「ああ。遠慮いらない」
「ニーア。速攻だよ」
「了解ニャー」
「シエラ。いつも通りいくぞ」
「わかりました」
シエラは詠唱を始めた。
「ニーア」
「わかってるニャ」
ニーアはシエラの詠唱の瞬間を狙って高速で向かってきた。
「シエラ!」
「問題ありません。アースニードル」
地中から無数の大地の針が出てくる。
「止まって見えるニャ」
難なく避けシエラの背後にまわった。
「トルネード」
シエラは自分を中に竜巻を出し守る。
「アイスランス」
「ニャニャ!」
竜巻の中から氷の槍が放たれ。
ニーアは避けきり距離をおいた。
「ニーア。大丈夫」
「ニャんとか・・・。隙がニャいな~」
「どうしました。速攻で決めるのではなかったのでは?」
「誰がそんな事言ったかニャ~」
「あら、違いましたか」
「シエラちゃん。速攻は速攻でも勝敗を決める速攻じゃないよ」
「バトルはここからだよ」
「・・・いくニャ」
ニーアが姿勢を低く構え、目が赤くなった。
「狩りの時間ニャ」
一瞬にしてニーアの姿が消えた。
「・・・隠れたな。シエラ気をつけろ」
「はい」
静まる森林。
自然と一体化したニーアは厄介だ。
獣人族なニーアは自然との相性がとてもいい。
音も気配も消し、獲物に近づきしとめる。
獣人族の得意な戦法。
勝つためには相手より早く見つけ、こちらから攻めるしかない。
だけど・・・、ニーアは違う。
ニーアにはそれが出来ない。
なぜなら・・・。
「アッタクシールド」
シエラは自分の周りに守りの魔法を唱えた。
その瞬間、四方八方から攻撃の音がした。
そう・・・。
ニーアに先手を打てない理由はこれだ。
ニーアの動きが早すぎて捕らえる事が出来ない。
彼女の動きは多分獣人族でもトップの早さ。
音がした場所に攻撃をしてももうそこにはいない。
普通なら少なからずその場かその周辺にいるはずなのだが、彼女の場合は動いている時に聞こえる音が後に聞こえるからだ。
つまり、音速を超えている。
本気のニーアの動きは音速を超える。
そうなると、聴覚がまったく役にたたなくなり、視覚も役にたたない。
五感の内二つが封じられた。
「シエラ大丈夫か!」
「はい。大丈夫です」
そうはいうが、攻撃の音は止んでいない。
「ニャは!そのままずっと後手でいいのかニャ?」
「なら、姿を現しなさい」
「それは無理ニャ。シエラ自ら捕らえればいいニャ~」
攻撃の音が更に増した。
「何時まで持つかニャ~」
ニーアはこのまま攻撃をし続け、シエラの魔力が消耗し戦闘維持が出来なくなるのを待つか、耐える事が出来なくなり、攻撃に移った時のチャンスを狙って決めるか待っている。
結構不利になってきたな。
どうにかこのスピードを止められたら・・・。
「シエラ。遅延魔法をかけれるか?」
「・・・残念ながら無理です。目視が出来ません」
無理か・・・。
「シエラまだ持ち堪えれるか」
「はい。まだ余裕はあります」
「わかった。少し時間をくれ。絶対勝つからな!」
「わかりました。刀夜」
「いい主従関係だね~」
「かっこいいニャ~。・・・でも手は緩めニャいけどね!!」
過激さをますニーアの攻撃。
・・・落ち着け。
考えろ・・・。
考えるんだ・・・!
シエラは信じてくれている。
その信頼に応えるんだ。
大事な家族の為に。
今状況はこっちが不利。
視覚を封じられ遅延魔法は無理。
攻撃魔法も当たらない。
聴覚は音速で意味がなさない。
攻撃せずに動きを止める方法・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
これだ!
「シエラ!」
「はい」
「暗黒魔法をやってくれ」
「無理です。目視出来ません」
「ニーアにじゃない。周辺を闇に包みこめ!」
「わかりました。ダーク」
「ニャニャ!?」
防御魔法を解き、周辺を暗闇にする暗黒魔法を唱えた。
これでニーアも見えなくなった。
視覚を封じた。
だけど、
「ちょっと驚いたけどもう見えるニャ!」
ニーアは夜目が効く。
「見えないのはシエラだけ。一気に決めるニャ!」
「シエラ光魔法で照らせ!」
「はい。シャイニング」
暗闇の中、突然と照らす光の魔法で闇を消し去った。
「眩しい!!」
動きが止まった!
「シエラ炎と水魔法だ!」
「はい。フレイムランスレイン・ウォータレイン」
炎の槍の雨と水の雨上空から降らした。
「ニーア避けて!」
「大丈夫ニャ!」
ニーアはその場から一気に後退し距離をとった。
「相変わらずの身体能力だな」
「さすがでしょ。私のサーバント!」
「ああ。スゲーよ。・・・だけどこのバトル俺達の勝ちだ」
「まだ終わってないよ~!」
「ならその目で見てみろよ」
「・・・何これ」
フィールドが白い何かに包まれてる。
「これ・・・霧?」
「正解。これで互いに見えなくなった」
「・・・そう思う?ニーア!」
「残念ニャ。私は鼻も効くニャ!」
「ニーアには嗅覚があるからね。視覚だけ封じても無理だよ」
「・・・いや、本当はそっちじゃないんだ」
「どういう事?」
「今からわかる。シエラ雷魔法」
「はい。ライトニング」
空気中の水滴に雷は伝わり霧全体に広がりニーアは逃げることも出来ず感電した。
「ニャーーーーーー!!」
「ニーア!!」
ニーアは痺れて動く事が出来なくなった。
「言ったろ。俺達の勝ちだって」
「負けたよ・・・」
「やったなシエラ」
「はい。ありがとうございます。刀夜」
バトルはシエラの勝利で終わった。