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サーバントバトル  作者: 春
4/8

校舎裏でバトル

「シエラ。大丈夫か?」


昨日の晩御飯ハンバーグがシエラの胃に直撃し、朝になっても顔色が悪かった。


「だ、・・・大丈夫・・です」


無理してるな。


喋るのもつらそうだ。


・・・もう二度と台所にたつのは止めよう


「今日は休んでた方がいいな」


「いえ・・・この程度・・・」


「無理するなって」


「無理など・・・」


「嘘つくな。さっきから変化も出来ないほどじゃないか」


俺の料理の性で。


てか、俺の料理ってそんなに毒だったんだな。


「ですが、刀夜だけいかせるわけには・・・」


「学校に行くだけだから大丈夫だ。だから休んでろ」


「ですが・・・」


意地になるのもわかる。


マスターである俺に何かあったらサーバントとしての意味がなくなる。


サーバントはマスターを守る盾。


だけど俺はこうも思うんだ。


サーバントのシエラに何かあったらマスターとしての意味がなくなる。


マスターはサーバント守る盾。


「シエラ」


「はい」


「命令だ。今日一日この家から出ずに療養するように」


「マ、マスターそれはずるいです!!」


マスターって呼ぶって事は想定外だったって事だな。


かなり動揺してるな。


「シエラの気持ちはわかる。サーバントとしての使命も。だけどな、その気持ちと同じくらい俺も心配してるんだよ。俺の料理の性でこうなってしまって・・・。だから今日一日は休んでくれ頼む」


「・・・・・・わかりました」


やっと折れてくれたか・・・。


「だけど危ない事はお止め下さい。私がいませんので・・・」


「わかった。約束する」


「絶対ですよ」


「ああ。それじゃあ行って来る」


「いってらっしゃいませ」





一人っきりの通学路。


懐かしくて新鮮な気分だ。


シエラが来てからずっと一緒だったもんな。


十年間ずっと傍を離れず俺の事を守ってくれてた大事な家族。


父さんや母さんより大事にされてたな。


いつも雑談しながら歩いてる通学路が長く感じよ。


スマフォの時計を見た。


まだ時間に余裕があるな。


早めに出たからな。


このまま学校に向かうのも悪くないけど、もう少しこの状況を楽しみたい。


どこかに寄り道でもするか。


そうなるともう決まってる。


「・・・昨日の場所に行ってみるか」


何かあの隕石が頭に引っかかるんだよな・・・。


昨日はシエラにああ言ったけど、あの時、微かだけど確かに動いた。


見間違いじゃない。


そう確信してるんだ。頭の中で。


「・・・・・・」


昨日の空き地に入り隕石に触れる。


「・・・温かい」


十年前のはずなのにどうしてだ。


それに・・・この感じは。


耳を当てた。


やっぱり・・・これは、鼓動だ!


「マジか・・・。生きてるのかよ」


昨日は触れても何もなかったのにいきなりか。


それに何だか熱くなってきた。


まさか、こいつがやってるのか?


「・・・花が咲いてる」


隕石のすぐしたから草と花が咲いてる。


さっきまでなかったのに・・・。


「この中にいる奴の特性なのか」


もしくは出てくる前兆か・・・!?


・・・やばいな。


今まで無人の場所に落ちた隕石から異人種が出てきたって話は聞いてない。


今はシエラはいない。


いきなり襲ってこられたら終わりだ!


だけど逃げたら民間人に被害が出るかもしれない。


万事休すか・・・!!





「東城今日は遅刻してきてないな」


「おっは~刀夜」


「おはよう。柳瀬、雪」


大丈夫。自然に振舞えばばれないはず・・・。


「あれ?シエラはいないのか」


「ああ。体調を崩して今日は療養させてる」


「もしかして、俺達とのバトルの性か・・・」


「それは違うから安心してくれ」


「そっかぁならよかった!」


「・・・ねぇ刀夜」


「どうした雪」


「そのミサンガどうしたの?」


俺の左手首に付けられたミサンガを指差した。


「買ったの?」


「ああ。昨日ふらっと寄った店で気に入ってね」


「へぇ~・・・」


「・・・・・・」


「ニーア」


「何かニャ?」


「このミサンガってサーバント?」


「そうだニャ~」


ばれた!!


「は?どういうことd・・・」


「二人ともちょっとこっちに来い!!」


柳瀬と雪を校舎裏まで連行した。


「おい!どういう事だよ!!」


「落ち着け。今から説明する」


俺は二人に今朝の事を説明した。


「ほへ~~~~」


「まじかよ・・・その話・・・」


そういう反応と表情になるよな。


「本当だ。俺自身も驚いてるんだ」


「でも聞いた事ないぜ。サーバントが二人って話は!!」


「声がでかいよ柳瀬」


「す、すまん・・・」


「それで私達にどうしてほしいのかな~刀夜は?」


「内緒にしててほしい」


「それはいいけど、見返りは?」


「・・・何がいいんだよ」


「バトルしよ!」


雪はそう言った。


「バトルだと・・・?」


雪の事だから、別の事だと思った。


主に金銭的な・・・。


「それだけでいいのか?」


「うん。いいよ」


「ズリー!俺も」


「あんたは昨日やったでしょ。バトル馬鹿。で、返答はどうですかな~?」


「・・・・・・」


どうする・・・。


まだこのサーバントの事を俺は知らない。


どんな戦い方や特性があるのかも全く無知だ。


もしかしたら危険なサーバントかも知れない。


「お前はどうするんだニャ~新人」


ニーアが俺のサーバントに話しかけてきた。


「さっきからずっと黙ってるが、聞こえてないはずニャいだろ」


「すまんニーア。俺が黙っておくように命じたんだよ」


「なら話をさせたほうがいいニャ。マスターはそいつに用があるんだからニャ」


「・・・話していいぞ。ラネ」


「わかった」


ミサンガから声がした。


「マスターのサーバントのラネ。ラネとバトルがしたいのか別のマスター」


「そうそう。いいでしょ」


「マスターラネは構わないよ」


「・・・・・・わかった。バトルを受けるよ。それで何時やる?」


「今から」


「はぁ!!?今から」


「そう。ここで今から」


「雪もうすぐ予鈴が鳴るんだぞ!遅刻するだろ」


「予鈴から本鈴まで十分あるから大丈夫だよ。私のサーバントならね」


「どうするマスター」


「・・・・・・わかった。じゃあ始めるぞ。頼むよラネ」


「よーーーっし!ガンガン行こう!!ニーア召還!」


互いにサーバントを出した。


「うわ。ラネちゃんの服・・・!!」


「すっげー自然服だな」


「・・・言うな。ニーアの格好も似たもんだろ」


「まぁね~。じゃあ早速行くよ。ニーア」


「ハイハ~イ」


ニーアは高速で動き、周囲の障害物や木を利用して翻弄する。


相変わらず狭い場所や障害物がある所はニーアは強いな。


ニーアは獣人族のソニックキャット。


名前の通りスピードを活かしたバトルをする。


狭い場所や障害物がある所を得意としている。


「マスター。ラネはどうする」


そうだ。今のサーバントはシエラじゃなかった。


シエラだったら長年の付き合いで阿吽の呼吸で対応するからあまり口にださなかったんだよな。


「ラネ。やれる事をやってくれ。ただし周囲の物の破損や破壊は禁止」


「うん。ラネわかった」


ラネはその場に立ったまま動かなくなった。


「ラネ。動かないのか?」


「うん。これでいい」


「何か策があるみたいだね~。いいよ~乗ってあげる!ニーア!!」


「そこニャ!!」


姿を翻弄していたニーアがラネの背後を取った。


鋭利の長い爪がラネの背中に刺し込まれる。


「ニャ!!?」


「捕まえたよ」


ニーアは植物の蔓と木の幹で体を拘束された。


「う、動かニャい!!」


「ラネの勝ち」


「あ~あ、負けちゃったか~。折角地の利を活かしたのにな~」


「く、悔しい・・・ニャ・・・」


「凄いなラネ」


「マスター。ラネをもっと褒めて褒めて」


「ああ。だがとりあえずニーアを開放させてやってくれ」


「わかった」


ラネはニーアを拘束していた植物を元に戻した。


「ラネは植物を使えるんだな」


「うん。ラネは植物を操れるアウラウネ。植物は友達」


「それにしても良く私のサーバントの動き見えたね」


「植物が教えてくれた。だからわかった」


「なるほどね~。1対多数じゃ勝ち目はなかったわけだ」


「ありがとうラネ。疲れただろ。今日は家に帰るまでずっと変化しててくれ」


「ラネわかった」


ラネはミサンガに変化した。


「ニーアもお疲れ戻っていいよ」


「ニャ~。疲れた」


「クソ。俺もバトルしたかったぜ」


「今度な。それよりも約束は守ってくれよ」


「わかったよ」


「まかせろ!」


「じゃあ教室に行こうぜ」


こうして俺は新しいサーバントを手に入れた。


家族がまた一人増えたな。


家に帰ったらシエラがどんな反応をするのか少し怖いな・・・。

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