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サーバントバトル  作者: 春
2/8

学校でバトル

「間に合ったぁ~・・・」


「ギリギリでしたね」


チャイムが鳴り終わる前にどうにか正門を通ることが出来た・・・。


「早くしないと一時間目が始まりますよ」


「わかってるよ」


靴箱で上履きに履き替え自分の教室に向かう。


俺の学校が町で唯一の異種族と同行できる政府が設立した高校。


政府はここに研究所を設け様々な異種族を調査し分析している。


サーバントを持っている人はみなこの高校への入学試験は免除され、少なからずの金が政府から支給される素晴らしい制度の学校だ。


バトルも休み時間や放課後なら自由に出来るが、それ以外はマスターの身なりの一部に変化して学校を過ごす規則。


「よう東城とうじょうおはようさん!」


「おはよう柳瀬やなせ


俺と同じクラスで友人で親友でもある柳瀬やなせ 和也かずや


十年前に家の前に落ちた隕石から出てきた異世界人のマスターとなったやつ。


外見は不良に見えるが中身がまったく違い、優しくていつも元気で明るくクラスのムードメーカ的な存在。


だけど


「なあ今日の昼休み一戦しようぜ!」


「またかよ・・・」


「当たり前だろ!負けっぱなしは性に合わんからな!」


とてつもなく負けず嫌いなんだよな。


「俺に言われても困る。戦うのはシエラなんだからさ」


「なら、シエラちゃんいいよな!?」


「柳瀬さん。またですか・・・」


「頼む!」


「・・・どうしましょうか刀夜」


「俺に言うなよ・・・」


と言ってもマスターである俺が指示しないとバトルが出来ないんだけどな。


「いいではないか東城」


「・・・ムロお前もかよ・・・」


柳瀬の付けているヘアピンに変化しているサーバントのムロが話しかけてきた。


「私もマスターと同じで負けず嫌いでね・・・」


「似たもの同士だな」


「返事はどうなんだよ東城」


「マスター・・・」


こうなったらもう仕方ないな・・・。


「わかった。昼飯済ましたらグラウンドに集合だ」


「ヨッシャ!負けないからな!!」


「ヘイヘイ。そういうわけで悪いけど頼むなシエラ」


「わかりました」


「腕が鳴るのう」


「早く教室に行こうぜ。折角間に合ったのに遅刻しちまう」


「そうだな」


俺達は昼休みの約束をし2-Cの教室に向かった。





どうにか本鈴前に席に着くことができ、そのまま一時間目を終え休憩時間。


「おはよう刀夜。今日はギリギリだね」


前の席の女子。


名前は深井ふかい ゆき


柳瀬と同じでクラスのムードメーカであり誰とでも仲良くでき男子からの人気も高い。


「おはよう雪。ちょっと色々あってね」


「色々ってまた人助けかニャ?」


「おはようニーア。そうだよ」


「お疲れ様ニャ~」


雪のバンドに変化しているサーバントはのんびりとしていた。


「刀夜って本当にお人好しだよね」


「別に。ただ視界に入ったから助けただけだよ」


「へぇ~・・・そう言ってこの前は通学路とは逆の帰り道でサーバントを持ったうちの学校の不良を倒したらしいじゃん」


「お前見てたのかよ・・・」


「だって、私の帰り道だしね~」


「・・・あれはサーバントを使って弱い物いじめをしていたからだ」


「ほらやっぱりお人好しだね」


「・・・サーバントは都合のいい玩具じゃないんだよ」


「雪さん。それ以上からかわないで下さい」


「ごっめ~ん。・・・にして五人相手によく勝てたよね」


「だニャ~。シエラも強いけど東城もねぇ~」


「一応鍛えてるからね」


「かっこいい~。人気者になるわけだ」


「ほら、二時間目始まるぞ。前向け前」


「は~い」


そう。サーバントは玩具じゃない。


命令一つで命を奪う事も出来てしまう危険な存在でもありながら、大事な家族の一員だ。


俺はそれを遊び半分で使役している奴等を許せないだけだ。


・・・だけど、それは俺にも言えることだよな。


俺もやっている事は同じだ。


ただそれが善人に振るわれてないだけだ。


自分よりも弱い人を倒している。


それは変わらない・・・。





「おっし!飯も食って準備満タンだ!!」


「手加減はいるか柳瀬」


昼休み、約束通り昼食を済ませ俺と柳瀬はグランドでバトルをすることにした。


「いるかよ!ってか手加減して勝てると思ってるのかよ俺のムロは」


「遺憾ですな」


「冗談だよ。手加減して勝てるなんて思ってないよ」


「なら本気で行こうぜ!いってこいムロ」


「頼むよ。シエラ」


柳瀬はヘアピンを手に取りかかげ、俺は指輪を前にかかげた。


「シエラよ」


「何ですかムロ」


ゴーレムのムロがシエラに話しかけた。


「今何勝何敗か覚えているか?」


「確か37勝36敗で私の勝ちですね」


「もうそんなに戦っていたか・・・」


「ええ。それでほかに何かありますか?」


「ない。では行くぞ」


ムロは硬い体を前に出し突進してきた。


「アイスランス」


シエラは氷の槍で攻撃をした。


が、ムロの体に当たると砕け散った。


「避けろシエラ」


「はい」


紙一重でムロの突進を避けた。


「行けームロ!勝てるぞ!!」


「勝利をマスターに・・・」


再び突進をしてきた。


「相変わらず硬い岩石の鎧ですね。・・・フライ」


突進を空中魔法で避けた。


「それで逃げたつもりか」


ムロは体を纏っている岩石の鎧の一部を槍に変化させ投げた。


それを器用に避け続けた。


「もう纏っている岩石はなくなりましたよ」


「ここからよ。戻れ」


その言葉で空に散っていた槍が戻り


「囲め」


シエラの周囲を岩石の竜巻で取り囲んだ。


「・・・・・・」


「勝負ありだな。東城!」


「そうだな・・・」


「何だよやけにあっさりじゃねか。悔しくないのか?」


「別に。悔しいのは柳瀬の方になるし」


「・・・どういうことだよ」


「知りたいか?シエラ!」


岩石の竜巻で囲まれているシエラに告げた。


「勝負を決めちまえ!」


「畏まりましたマスター」


シエラは竜巻を一掃した。


「なんと・・・!」


「ムロお返しします」


一掃した岩石をムロの体に戻した。


「ぬぅ・・・!!」


「どうしたムロ!!」


「う・・・動きませぬ!!」


「何をやったんだよ東城!」


「シエラの魔力を岩石に注いだんだよ」


「はい。その鎧は最早ムロを守る鎧にはできません。逆に拘束具となり動きを封じました」


「そうゆう事。俺達の勝ちだ」


「クッソーーーー!!!また負けたーーーーーー!!!」



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