プロローグ:スキル習得1
三ヶ月ぶりの投稿に成ります。
遅筆で申し訳ないです・・・
今回は説明回となりますご注意下さい。
「さて、先程も言ったように君達にスキル与よう。
と、言っても儂は君達の要望に沿ってスキルを与えるだけじゃがな」
転生モノの大体のお約束のスキル付与らしい。
俺は既にスキルを持って居るが、此処で試せるのは『新鑑定』ぐらいで他のスキルは試そうにも試せなかったが・・・
「スキルを此方で選ぶ事は出来るのか?」
「此方が適当なスキルを見繕って渡すつもりじゃったが・・・・その方が良いのならそれも出来るぞ。
ほれ、此れがスキルの一覧表じゃ」
そう言って爺さんは分厚い、辞書程度の分厚さの皮の本を渡して来た。
「スキルはこれで全部なのか?」
「いいや、それは一部じゃ。この場で渡すと魂が圧力で耐え切れなく成りそうなモノは弾いておる。
そこに乗って居るのは・・・消えたり増えたりもするが、大体一%程じゃな」
ざっと見てみたが、この辞書に乗って居るだけでも数千はあるだろう。
それでも、一部なのか・・・。
「そこの本には、儂から与えられる基本的なスキルは其処に乗っている。
まあ、加賀君の『死者ノ王』や『精神異常無効化』みたいな上位スキル以上のモノは乗っては居ないし与えられない。勿論、与えられるスキルはLV1にかぎられておる。
あと、与えられるスキルはパッシブ、アクティブ合わせて10個とエクストラが3個、計13個じゃ。
決まったら、この紙に書いて渡してくれ」
そう言って一枚の紙と羽ペンを渡される。
LV1でしか貰えないのと、貰えるスキルに上限が有るのは予想が付いていたが、此処でまた上位スキルという新しい言葉が出てきた。
まあ、名前からして大体の予想は付くが・・・
そう考えてた処で富田が爺さんに質問した。
「紙様、そのスキル、上位スキルの違いってなんなんだ?」
「そうじゃな・・・簡単に言うと、スキルは鍛錬等で無から覚えられるもの。上位スキルは生まれ付きかスキルを多用しLVを限界まで上げたものだけが覚えられるスキルが進化したものじゃな。
例えば、加賀君の『精神異常無効化』は『精神異常耐性』の上位スキルじゃ。その『精神異常耐性』は『狂気耐性』や『混乱耐性』等の上位スキルじゃ。
中には複数のスキルを習得し練度を上げる事によって手に入るスキルもあるぞ」
文字通りだった。
推測だが『新鑑定』も『鑑定』などと言った名前のスキル上位スキルなのだろう。
そして、思わぬ所で自分の異常性も薄らとだが明らかになった。
俺は現在、爺さんから貰った『新鑑定』を除いても二つの上位スキルを持って居る事となる。
実際には試した事が無いので其処は薄らとなのだが、元の世界でも特に治安が良く比較的平和な国に居た人間・・・しかも、一般高校生が持って居るスペックでは無い。
向こうの世界で目立たないようにする為には自分のスペックを再確認する必要がありそうだ。
閑話休題
さて、本題のスキル選びだが・・・どうしたものか。
生きたくないし、死にたくもない・・・死んでしまうような状況で無ければ極力、生きれるようなスキル構成にしたい。我ながら、面倒な性格をしているものだ。
まずはパッシブから行くか・・・
『強化』に『耐性』・・・『剣技』『調合』『鍛冶』などの技術系も此方に入るのか。
変わったモノだと『気配察知』みたいなもの。
どうやら、行動がそのまま反映されるものは此方になるようだ。
パッシブスキル自体はオンオフが切り替えられるだけでオンの時のみ効果が出るようになって要るようだ。相手を騙す為にワザと状態異常を受ける事も出来そうではある。
しかしそうなると意図的にスキルのレベルは下げられるのだろうか?所謂、手を抜くと言う事に成るのだが・・・それとも、自身の攻撃を弱くしたり、一撃で相手が死なない様にするスキルが有るのだろうか?
解らなければ神(人)に聞く。
「爺さん、質問」
「なんじゃ?」
「パッシブスキルはオンオフが出来るが・・・例えば、耐性を弱くしたり相手を一撃で死なない様にしたりするなどのスキルで手を抜くというのは出来るのか?」
「そうじゃな、自ら耐性を弱くするのは無理じゃ。攻撃は本人の技量次第じゃが、エクストラスキルに『手加減』というスキルが有る。それを習得していれば殺さずに攻撃をする事は出来るぞ」
「そうか、ありがとう」
そうなると、持っている人間は少なく無さそうだな。
魔獣が居ると言っていたのでおそらく生け捕りの依頼の時も、非合法な奴隷を捕まえる時にも必要に成るだろう。訓練などで使う可能性も有りそうだ。
「なあ、加賀。どうしてそんな事を聞くんだ?別に、力が有る分には問題は無いだろ?」
富田が聞いてくる。委員長も不思議そうにしている。
委員長なら気が付いても良さそうだが、ファンタジー世界と言う事で気分が高揚しているのか気が付いていない様だ。
「問題が有るから聞いたのだ。お前は今の自分が真剣をもって人を殺さない様に戦えると思うのか?」
「・・・無理だな」
「そういう事だ。俺達のスペックが高いのか低いのかは解らんが、取り合えず技量は足りん。それを補うためのスキルが有るかどうかは問題だろ」
「そうだな・・・じゃあ、一つ目は『手加減』を取った方が良いか?」
「いや、向うで自力で覚えた方が良いだろ。自分の力量も解るし、何よりそもそも戦う事へ慣れなくてはならないしな」
実戦で学ばなければ解らない事も有るのだ。
「そういう訳で『手加減』はとらなくて良いと思うぞ」
「りょうかーい」
富田の呑気な返事が聞いて、俺は自分のスキル選びに戻る・・・前に、爺さんにもう一つ質問。
「爺さん、『新鑑定』は13のスキルに入るのか?」
そういうと、爺さんは少し感心したような目で此方を見る。
「いや、入らんぞ。『新鑑定』を消して、もう一つエクストラスキルを取る事も可能じゃ。だから、新鑑定を消すと14のスキルが選べる訳じゃな」
「そうか、解った。」
爺さんにそう言って、スキル選びに戻る。『新鑑定』、もしくは其れに近いものをとる必要が無いと言うのは有難い情報だ。
さて、パッシブ、アクティブ合わせて10個なのだ。取りあえず5個を目安に選ぶか。
まずは・・・魔力を使いやすくするために『魔力操作』と使用頻度を上げるために『MP回復率上昇』を取ろう。魔法など俺達の世界に無かったものだ、少しばかりテンションが上がって居るのかもしれない。
あと、武器戦闘のスキルは一つはとっておきたいところだ。
戦闘系スキルは純粋に武器を扱うための技術のようだ。
技を出すにはアクティブの技系スキルを取らなければ成らないらしく、パッシブの術系スキルは素振り等の武器を振る時の重心等に影響するらしい。
良さそうなモノだと殴るだけで大丈夫そうな『槌術』、獲物が小ぶりで持ち運びやすそうな『短剣術』、オーソドックスな『剣術』あたりだろうか。攻撃を防ぐという意味では『盾術』あたりも魅力的か。
悩んだすえ、『剣術』を取る事にした。本当は『盾術』を取ろうかと思ったのだが『盾術』を戦闘で活用しようと思うと『体術』を取らなくては成らないらしい。
武器戦闘スキルで二つのスキルを取るのは他のスキルが一つ取れなくなるという事だ。それは勘弁願いたい。体術だけで敵が倒せる程、攻撃特化型でも魔法特化に出来る程のステータスでも無いからな。
あとは、パッシブでは技能系スキルを取る。良さそうなものが無ければ無理に取ろうとはしないが。
まずは『気配察知』これは必須だ。LVが低いうちは過信出来ないが、不意打ちされる心配を少しでも減らす事が出来るなら取っておきたい。
同じように『魔力察知』を取ろうと思った所で『料理』に目がいった。異世界モノで良く取られている『料理』スキル。殆どの人間が自分の好物を作るために取っていたが、このスキルもそういう魅力があるのだろうか。
『料理』
HP、知力、筋力に補正
料理のスキル。例えLV1でも、肉の素焼でもスキルが有るのと無いのでは段違いな程である。
さらに、栄養吸収の効率化もしてくれる。
よし、取ろう。味の方に興味は無いが少ない量で高エネルギーと言うのはとても魅力的だ。
少ない量でも十分な栄養が取れる。冒険云々以前に個人的に欲しかったスキルだ。
体調管理も出来、さらに食べる時間を他のモノに使う事が出来る。これで効率化というスキルが有るなら他のスキル消しても取りたいぐらいだ。
さて、取り敢えずパッシブは決まった。続いてアクティブだ。
アクティブスキルは直接攻撃に関わるスキルが多い。逆に此処で適当なスキル構成にすると恐らく戦えずに死ぬ。まあ、余程馬鹿な事・・・・例えば『剣術』スキルを持たずに『剣技』を持つとか。魔力やMPが殆ど無いにも関わらず魔法のスキルを取らない限り大丈夫だろう。
さて、アクティブは技や魔法ばかりだが。一つだけ例外そうなスキルがある。『生活魔法』だ。
説明には
『生活魔法』
生活に便利な魔法
どの魔法も属性魔法の壁を越えられない位に弱いが、余程の事が無ければ万人が覚えられる
こう書いてある。
攻撃には使えなさそうだが、普段の生活には必要そうだ。万人が覚えられると書いて有ると言う事は習得も容易いのだろうか。
「爺さん、質問」
「なんじゃ?」
先程もこのやり取りをした気がするが気にしない。
「この『生活魔法』というスキル。万人が覚えられると書いて有るが、何処で覚えられるのだ?日本で親が子供に箸を教えるように、親から教わるのか?」
「いや、他人にスキルを習得させるにはまた別のスキルが必要でな。基本的には教会で教えてくれるはずじゃぞ」
「そうか、ありがとう」
誰を信仰して居るのかは解らないが、簡単に習得できるならそれに越したことは無い。
このスキルも取らなくて良さそうだな。
火種や飲み水の確保に『炎魔法』と『水魔法』を取ろうと思ったが、そんな事をしなくても大丈夫そうだ。
さて、何を取ろう。