プロローグ:ステータス事情
一か月近くも空いてしまいました・・・・
まだ、プロローグの段階でこんなに詰まってしまうとは・・・
この先生き残れるのでしょうか・・・
爺さんが手を一つ打つと先ほどの声が聞こえた。
恐らくこの声はシステムアナウンスの様なモノなのだろう。
《真鑑定ヲ付与サレマシタ》
声が聞こえると突然俺の前に水色で半透明、サイズはA4ぐらいのボードが現れる。ボードには日本語で文字が書いてあった。
行き成り現れたのには流石に驚いた。
他の二人も驚いて居る様なので俺と同じような状況なのかも知れない。
「今、君達の目の前にあるモノは君達のステータスじゃ
本来なら道具を使ったりスキルを持って居なければ見れんのじゃが・・・
今回は特別に見れる様にスキルを与えた」
ステ-タスはゲーム上では自分の能力を数値化等をして見やすく表示したものだ。
正直、生きている内に見られるとは思ってなかった。
いや、もう死んでいたな。
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カガ オウマ(加賀 王摩)
真人 男 18
LV :1
HP :80
MP :120
力 :26
守 :24
俊敏:31
知力:29
魔力:31
運 :57
パッシブ
アクティブ
エクストラ
精神異常無効LV極
真鑑定LV1
死者ノ王LV1
称号
死を受け入れた者
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これが俺の現在のステータスだそうだ。
しかし、所々突っ込み処も有る。
まず、名前の次に書いてある『真人』だ。
『人間』や『人』、『ホモサピエンス』ではなく『真人』という謎の単語
読み方は『まびと』か? 『しんじん』か?『まじん』や『しんびと』の可能性も有るか・・・。
・・・俺の中では一先ず『まびと』と言う事にして置こう。
次はステータスだ。
通常のLV1のステータスがどういったモノか解らないので突っ込んで考える処は少ない。
MPが多い様に見えるが全体的にバランス型か?
次はスキルだ、パッシブ(常時発動)、アクティブ(任意発動)両方が空欄なのはスキルを所持してい無いからだろう。
まあ、習い事等の特殊な事はやって居なかったのだ、在る方が不思議だろう。
ただ、何故かエクストラスキルが三つが有る様に見える。
一つ目『新鑑定』これに関しては爺さんが今、俺達に付与したモノだ。何も問題は無い。
しかし、謎なのは『精神異常無効』と『死者ノ王』と云うスキルだ。
精神異常無効は先程の肉塊を見た後に手に入れた気がする。確か、耐性から無効に変化したと言っていたはずだ。耐性に関しては恐らく、元々持っていたモノなのだろう。
しかし、最後の一つ『死者ノ王』これに関しては解らない。
精神異常無効の時の様に此方でシステムアナウンスを聞いた覚えは無い。
そうなると俺が元々持っていたスキルと言う事に成るが、俺はネクロノミコンを開いた覚えも死体遊びをした覚えも中二病でネクロマンサーを演じた事も無い。そうなると俺が元々持って居たスキルという事になる。
どういうことなのだろうか?
『死者ノ王』の文字を見詰めて考えているとステータスとはまた別のポップアップが出た。
赤い背景に黒い文字で「あなたは|好きですか?」とか書かれていたら対処に困る処だったが、そんな事は無くステータスボードと同じ水色半透明のモノだった。内容は・・・
『死者ノ王』
死者を操ることに特化した恩恵
死体を操る事も亡霊を成仏させる事もできる
生き返らす事はできないが、下僕にする事はできる
使役した下僕は術者の命令もしくは、術者の死どちらかが有るまでスキル『不滅』を得る
スキルの説明のようだ。恐らく『新鑑定』の能力なのだろう。
降霊術や除霊、死者の使役が主な能力で、どうやらシャーマンやイタコ、ネクロマンサーに近い能力のようだ。
心当たりが無い割には中々に物騒な能力である。
最後に称号だ。
恐らく、ゲームの実績みたいなモノなのだろう。
ただ、唯一持っている称号『死を受け入れた者』習得条件が碌なモノでは無い事が解る。
『新鑑定』を使い詳細を確認する
『死を受け入れた者』
死を体験し受け入れた者に贈られる称号
自分の死体を見て認知する覚悟が無ければ得られない
特典として魔力とMPにボーナス、精神異常耐性を付与
説明から察するに肉塊を見る覚悟を決めた時に入手したモノなのだろう。
そして、思わぬ所で精神異常耐性の出所が分かった。
どうやら称号に関するモノはアナウンスが無いのと、特典が付くようだ。全ての称号がそうとは限らないだろうが出来るのであればこまめに確認するのも良いかも知れない。
幾つか解った事はあるがステータスにしろ能力にしろ解らない事の方が多すぎる。
しかし、解らなければ聞けば良い。幸い此処には聞いて答えてくれる神物は居る。
「爺さん、幾つか頼みが有るんだが」
「なんじゃ?」
「自分のステータスが高いのか低いのか解らない。何か比較できるモノは無いか?
あと、身に覚えがないエクストラスキルが有るのだが」
「そうじゃな・・・ステータスに関しては君達の世界の平均のモノを用意しよう。
エクストラスキルは生まれながら持っていたのじゃろう。何処の世界にも生まれながらスキル持っている者は少なく無い。まあ、エクストラスキルとなると本当に稀じゃがな。」
そう言って爺さんは別のステータスを表示させる。
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人間の平均初期ステータス
LV :1
HP :25
MP :10
力 :8
守 :7
俊敏:5
知力:13
魔力:9
運 :1~
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「これが君達の居た世界でのものじゃ。大体の人間の平均ステータスじゃの」
「全体的に低すぎないか?」
明らかにおかしい。三倍近くも平均と自分のステータスの差が有る。
「それはな、生まれたばかりの赤子から年食って動けなくなった年寄まで全部含めておるからじゃ」
「平均じゃなくてほぼ最低値みたいなモノじゃないか」
「ステータスがオール1の人間もいるぞ?」
「瀕死で即死じゃねえか・・・」
行き成りの馬鹿な発言に投げやりに頭を押さえる。頭が少しだけ痛い。
もう一度問うとちゃんとした俺と同じぐらいの年代のステータス平均を見せて貰えた。俺のステータスは平均より少し高いが、高すぎると言う事は無いようだ。
「ところでスキルを持っておると言っておったな。何と云うスキルじゃ?」
行き成り話を戻されて不満が少し残るが、此方から聞いた事だ質問には答える。
「・・・『死者ノ王』」
「珍しいスキルを持ったようじゃの。確か・・・そのスキルは生まれながら持っておる者は過去に居らんかったはずじゃ」
「初事例という事か」
「まあ、有り得ない話では無いので、気にする事もあるまい」
そう、有り得ない事では無い。
どんな事にだって初めてが有る。それが偶々自分に回って来ただけの様だ。
「『死者ノ王』はどういったスキルなんだ?」
「『新鑑定』を使えば説明が出ないかの?」
確かに、説明書きの様なモノは出たし、読んだ。
だが、スキルの使用用途に関してだけであって使用方法に関しては全く分からない。
「もっと詳しい情報が知りたい。
パッシブに関しては解るがアクティブやエクストラはどういった風に使うのだ?」
「『新鑑定』を『死者ノ王』の説明に使用してみると良い。詳しい説明が出るはずじゃ。
『新鑑定』は知りたいと思うモノを見る事で発動する様になっておる。」
「『死者ノ王』に関しても発動方法とか、爺さんが教えてくれたりはしないのか?」
丁寧にとは言わ無いがもう少し情報を寄越してくれても良いと思う。
「『新鑑定』も儂が作ったスキルでは無いからの。詳しい事は解らないのじゃ」
「ん?爺さん以外にもスキルを作成する神が居るのか?」
「そうじゃ、スキルを与える事はどの神がやっても大差はないが、スキルの新規作成はそれぞれ対応した神が行うのじゃ。
例えば、『剣技』であれば武神、『鑑定』であれば商業神と言った風にの。
ちなみに、儂が作るスキルは空間や時間に関係の有るモノじゃ」
スキルは神によって作るスキルが違う。
管轄外のスキルも作れなくは無いらしいが、対応した管轄の神が作った方がそれっぽいという理由でやっているらしい。
忙しいらしいが案外自由だな神様。
「では、『死者ノ王』は誰が?」
「・・・死神じゃ」
少し言いづらそうに爺さんは言った。
死神だと?
「今、死神と聞こえたが。あの、死神か?」
「その死神じゃよ。あ奴は魂の管理を任されておるからの・・・」
「ああ・・・あの爺さんを詰った神様か」
「そうじゃ・・・」
後に聞いた話、稀にだが神が気に入ったモノに作ったスキルを与える事もあるらしい。
どうやら変わりモノの神様に気に入られて居る様だ。
修正:2015/10/30スキルレベルを書くの忘れていたので書き足しました。