プロローグ:不注意
「何処だ此処・・・」
目が覚めるとそこは何もない白い空間だった。
壁も天井もなく遠くには地平線のようなモノすら見える。
周りには俺以外誰もいない
ただただ広く、白い空間
そんな空間で横になって倒れていた。
とりあえず、現状確認をする
立ち上がり今日起きたことを起きた所から思い出す。
まず、朝起きた。目覚ましの時間通りに6時に起床した。
そのまま着替え朝食を摂る。朝食はイチゴジャムをぬったパンに牛乳だった。
平日だったので学校に行く、家の近くなので自転車も使わずに歩いて学校に行く。
特に何も無く下らない授業を無視し本を読んでいたら放課後になった。
何時までも寝ている委員長と一緒に富田を起こし、帰ろうとする。
そこで異常事態があった。帰ろうとした時に目の前が歪んだ。立ち眩み等の眩暈の歪みではなく、そのまま空間が歪んだ様に見えた。そして、その歪みに驚いて立ち尽くしている処を歪みに飲み込まれた。
そして、今現在何も無い白い部屋に俺は居る。
「どういう・・・事だ・・・・」
状況把握するために今日あった事をまとめてみたが全く理解できない。
とりあえず、歪みに飲み込まれたあと俺はどうなった?飲み込まれた途端に気を失ってしまったから、今の状態がどういったモノなのかが理解しなければ。
可能性としては
1、死んだ
2、異世界に飛ばされた
3、次元と次元の狭間に引きずり込まれた
4、実は夢で現実の俺は学校or家で寝ている
・・・・・・・・・4は希望的観測すぎるし、あの歪みが夢だとか思えない。一番現実的なのは1かな?いや、あの歪みが現実的かは置いて置いてだ。3が災厄の状態だなこんな所にずっと居たら気が狂って考えるのをやめる。
そんな事を考えていると目の前にいきなり人が現れた。
見た目は禿げら爺さん、古代ギリシャの服装であるキトンによく似た白い服に木で出来た杖を持っている。
頭が禿げているからか若干眩しい。
「---------。------------。」
何か言っている。だが、聞こえないし読心術なんか使えないから解らない。
その様子に気づいたのか、その皺の多い手で自分の喉を押さえた。すると
「あー、あー、これで言葉はわかるかの?」
急に言葉が通じる様になった。
行き成り現れた爺さんを警戒して身構える。
「誰だ貴様」
「そう警戒しないでくれんかのう」
禿た爺さんは間の抜けた様にそんな事を言う
「分けも解らない空間でいきなり現れた爺さんを警戒しないほど俺の頭はお花畑じゃ無いんでね」
「それもそうかの」
「そう言う事だ。で、お前は何者で俺に何の様だ」
「それらの説明を含めて付いて来て貰いたいのじゃ」
「付いて行く?この、何も無い空間の何処へ?其処に何があるというのだ。」
「何も無い訳ではないがの・・・とりあえず、お前さんの友達の所へじゃよ」
やはり、あの二人も此処に飛ばされたようだ。
「説明はするがの、一度説明したことを何度も説明するのは面倒じゃからな。全員そろて説明しよう」
「そうか。ところで、二人はどこに居るんだ?」
「二人とも別の場所で待って居てもらっとるよ。君で最期じゃ」
「別の場所?」
「そう、別の場所じゃ」
「分かった、連れて行け。」
警戒したままだがそう言いうと、爺さんは驚いたのか表情が固まる
「なんだ、行くのを渋ると思っていたのか?ここで行くのを渋っても事態はどこにも転がっていかない、なら行動あるのみだろ」
「う・・・ぬ・・・確かにそうじゃが・・・」
「なんだ、それともアレか?説得に時間がかかった方がよかったか?」
「いや、分かった。では、気が変わらない内に行くかの」
爺さんがそう言うと杖を一振りする。すると、爺さんの頭上に小さな光が現れ、その光はどんどんと大きくなり・・・そして、あたりは光で包まれた。
学校の合間や放課後に書いています
更新は遅いかもしれませんがご容赦を
6/10 一部書き換えました