一章:門前
今回は特に難産でした・・・。
中々納得が行くように書き進められないし、コレの後に書きたい話をどんどん思いつくし・・・
今回、短めですがどうぞご覧下さい。
「まったく・・・自分の身分を隠して接して驚く新人を見たいとか悪趣味にも程があると思うよ?」
しばらくして幸太と美奈子が落ち着くとグライスさんがエグリートさんに呆れるように言った。
え?ルビがおかしいって?気にするな仕様だ。
「はっはっは。まあ、いいじゃないか、今回のは予想外だったがおかげで面白そうな人材を見つけることも出来たんだから」
「毎度の事だけど、あんたって奴は・・・」
どうやら結構な頻度で、同じような事をしているらしい。
行き成り現れた人間がギルマスです、とか驚かない人は少ないと思う。そして、その人達はよほど肝が据わっているか、事前に知って居るかの二択なのだと思う。
少なくとも驚いた俺はそこまで肝は据わっていなかった様だ。
「それはともかく、身分証を失くしたんだったかい?ギルドに登録するなら門の所で言えば銀貨一枚でで仮身分証をすぐに発行してもらえるよ」
「え、少しお金が掛かりますが・・・すぐに発行出来るんですか?」
美奈子が聞き直していた。元の世界でも免許等の身分証の再発行は出来たはずだがすぐにとは行かなかったはずだ。やはり、魔物等がいて危険な世界だからこその処置なのだろうか。
まあ、銀貨一枚・・・日本円で大体一万円というのは少し高い気がするが。
「ああ、魔物や盗賊に襲われて荷物ごと身分証を無くす人も少なくはないからね。だから仮身分証の発行はそう珍しい事でもないのさ。勿論”仮”だから一日しか使えないけどね。
それに、そもそも身分証を発行してない村も少なくない。
それに少し高いって言うが・・・一家族が一日そこそこ贅沢な生活が出切るぐらいの値段にしておかないと簡単にスラムは広がっちまうからね、仕方の無い事さ」
「そうなんですか・・・」
やはり、異世界ならではの処置らしいな。
しかし、此方の会話に一向に入ってこない幸太は・・・
「そこで、俺の斧がレッドエレメントドラゴンに一撃を入れたんだ。俺の一撃を受けたドラゴンはあまりの痛みに怒った。だがそれでも俺達は怖気付かなかった。いや、むしろ興奮したな。コイツはさっきよりもより強い攻撃をしてくるのかって、倒せたら俺達はもっと強くなれるのかって」
スキンヘッドさんの武勇伝を聞いて目を輝かせて静かに聞いていた。聞き入るのは解るが・・・キラキラと目を輝かせながらとか、やっぱりお前は子供か。いや、十六は子供か。こっちの世界での成人は一五らしいけどな。
え?ルビと名詞が逆だった?仕様だ気にするな。
「さて、詳しい事はギルドで説明するとしようか。せっかくだし道中はあたしらが町を案内してやんよ。おい、ハゲ!語ってないでさっさと行くよ!」
「だからハゲって言うんじゃねぇ!仕方ねぇ・・・坊主、話の続きはまた今度だ」
「えー・・・・」
話し込んでいるスキンヘッドさんにグライスさんが声をかける。
此方も幸太に移動を伝えようと目を向けると、話が良い所で切り上げられたらしく若干ふて腐れる幸太がいた。だから子供か。いや、一六は(rk
え?ルビが変わってた?仕様だ気にするな。
夫婦漫才のようなモノをしながら先導する二人を追いかけていく幸太と美奈子。
俺はその後を何時もの様な表情でついていった。
書き終えてから思ったのですが・・・。
今回、主人公一切喋ってないな・・・。