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一章:人里へ

今回新キャラが二人登場します。

魔物娘登場まで予定ではあと二話ぐらい掛かりそうです。

お待ちしている方、すいません。

 森の中を歩いて行く。と言っても、最初にいた場所に一本あった獣道を辿って居るだけだ。

 その道も十分程歩いたら森を抜けて森の獣道では無くなった訳だが。洞窟なんてなかった。

 今歩いている場所は平原、それもある程度踏み固められた道が見える場所だ。


 俺は歩きながら『新鑑定』と『魔眼』を同時に使用して歩いている。

 何故そんな事をして居るのかと言うと、理由は二つ。

 スキルの熟練度上げと先程のように使えそうなモノが無いかを探しているのと・・・移動中、二人に『魔眼』を使用して解ったのだが『新鑑定』を使用している際に目に魔力が溜まって居るのが分かった。

 『魔眼』や『新鑑定』の使用は目にMPは消費し無いようだが、眼に魔力を集めるようで、魔力を察知出来る人や感が鋭い人には気づかれるだろう。

 欠点はMPを使用しないとは言え、『新鑑定』と『魔眼』の同時使用は目が疲れるのだ。・・・が、誤魔化しにも成るし、使えるなら使わない手は無いだろう。

 まあ、『魔眼』で見ている世界はキラキラしていて綺麗なのでそのせいで目が疲れやすいのかも知れないが。


「結局、森では何も出なかったなー」

「だから、出ない方がいいんだって」


 その間にも、幸田と美奈子のこのやり取りも数回程している。

 幸田、お前はそんなに命の危険と命を奪う感覚がほしいのか。それともただの考え無しなのか。ああ、考え無しだろうな。大方、手に入った新しい力(オモチャ)を早く使いたいと言う辺りなのだろうな。其処ら辺の石や木にでも試したり、素振りでも居れば良いのに。


「ぐだぐだ言ってないで進むぞ。異世界来て最初の夜が野宿とか面倒だ」

「えーそれはそれでロマンあると思うけどなー」


 幸田のロマン成分の行き先が分からない。

 準備の出来ていない、危険が有るかも解らない、ノウハウを知らない、安全対策が取れるとは限らない、そして見晴らしの良い草原。そんな状況で野宿しようだなんて自殺に等しい気がする。


 そんなこんなで歩き、丘を越えると、分厚い城壁のようなモノが遠目に見えた。

 まだ距離があるにも拘らず威圧感を放つ石造りの城壁は都市を囲むようにそそり立っている。

 此処からはギリギリ城らしきモノが見えるが殆ど見えないと言っても良いほどなので城壁の高さが窺い知れるだろう。


「でっけー壁だな」

「そうね、あれなら巨人が表れても安心ね」

「50m級にぶち破られるんだな・・・」


 美奈子の言葉にそう返しつつ歩を進め、城門が見え、並んでいる行商の馬車や明らかに冒険者といった風貌の人間などがそこそこ並んでいるのが見え始める。


 此処まで来るまでにある程度の設定を決めた。

 決めた設定は以下の通り

・田舎から冒険者になる為にやって来た

・そのため世間に疎い

 この二つだけだ。

 まあ、深く詰めようとしたのだが・・・複雑にした結果、幸田が頭から煙を出しそうな勢いで唸り始めていたので簡潔に済ませたのだが。


 近づくと馬車と冒険者は列を別にして並んで居る。・・・まあ、車と人の違いみたいなモノなのだろう。なので冒険者が並んで居る方へ並ぶ方が良いのだろうか。

 少し離れた所から少し、迷っていると


「どうした坊主ども」

 と、地鳴りのように低い声をかけられるた。

 声を掛けて来たのはスキンヘッド、厳つい顔、蛮族のような装備、背中に背負った馬鹿でかい斧、ガタの良い体と山賊や盗賊の頭をやっていそうな、異様な雰囲気を醸し出している巨人の如き男だった。


 横を見てみると幸田も美奈子も彼の雰囲気に完全に怯えてしまい、顔を青くしている。あ、こら、俺の後ろに隠れようとするな。鬱陶しいだろうが。

 まあ、かくいう俺は、スキルのお陰なのか恐怖こそ感じないがかなり戸惑っている。町に入る前にこんな人(スキンヘッド)に声を掛けられるとは思って居なかったからだろう。


「どうした、何か困ってるのか?」

「あんたの盗賊みたいな怖い顔を近づけて、怯えさせてんじゃないわよ!この、ハゲ頭!」


 俺達が固まっているのとスキンヘッドは近づいてくるが、そのスキンヘッドの頭をパーンと良い音を立てて何者かが叩いた。

 叩かれたせいで少しつんのめったスキンヘッドが後ろを振り返る。それに合わせて俺達も視線を動かすと、其処にはスキンヘッドに負けず劣らず良いガタイをした大剣を背負った女性が立っていた。身長はスキンヘッドより若干小さいくらいだ。


「誰がハゲじゃ!剃ってんだよ!ゴリラ女!」

「髪が無かったら同じようなもんだよ!そんなんだから町の子供達に怖がられんだよ、この山賊顔!」


 あ、スキンヘッドが崩れるように膝を付いた。あんな顔して意外とメンタルが弱いらしい。女性は言い負かしたのが良かったのか、ドヤ顔と勝ち誇った顔を足したような顔をしている。

 その光景を見て呆然としていると女性の方が声を掛けて来た。


「悪いね、このハゲが怖がらせたみたいで」

「いえ、悪意が無いのは解ってましたので・・・」


 悪意も敵意も無かった。ただ、明らかに雰囲気が自分よりも圧倒的に上位の人間が話しかけに来た事に驚いただけだ。


「そうかい。それで、あのハゲも聞いたがどうしたんだい?何やら困っているように見えたが」

「ああ・・・いえ、田舎から冒険者に成りに来たんですけど、身分証明出来るものも無くしてしまって、どうしたら良いのか解らなかくて途方にくれていたんですよ」


 当たり触り無く、事前に決めていた答え()を答えながら『新鑑定』で二人のステータスを覗く。『魔眼』も同時に使って誤魔化しもする。・・・後で『隠蔽』を使って魔力の流れを隠せないか試してみた方が良いかもしれない。

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エル・フォン・エグリート

真人間 男

-unknown-|《スキル使用者のステータスと差が有り過ぎます。鑑定が弾かれました》

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セマ・グライス

巨人族 女

-unknown-|《スキル使用者のステータスと差が有り過ぎます。鑑定が弾かれました》

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 かなり強いぞこの二人。

 とゆうか、ステータスが見れない程の実力差って一体どれぐらいなのだ。巨人族よりも大きい真人間てどういう事なのだ。

 それに、この二人魔眼でも見ていたから言えるが・・・魔力が俺たちと比べて、かなり澄んでいるぞ。一体何者だ?


「ああ、それなら大丈夫だ。冒険者に成りに来たなら尚更だな。

 あと、それやめたほうがいいぞ」


 そう言って、俺を指さすスキンヘッドエル・フォン・エグリート

 魔眼との併用をして誤魔化している筈なのに何故ばれた。


「何故ばれたと思って居るみたいだから先輩冒険者として忠告しておいてやる。何か誤魔化しているみたいだから、何のスキルを使用したかは解らねぇが・・・・鑑定系のスキルは感が鋭い奴、特に上級冒険者にはほぼ気づかれる行為だ。それにそれを使うって事は相手を判断する行為だからな、敵意が有るとみなされて攻撃されても仕方ねぇぞ?」

「分かりました・・・すいませんでした」

「気にしなくていいよ。このハゲがいきなり近づいたんだ、警戒しない奴なんていないだろうさ」


 謝った俺にそう言ってフォローしてくれる女性(セマ・グライス)さん。正直、此処で解った事はありがたい情報だ。

 感でバレた。感は経験の積み重ねによって出来上がるものだ。伝統工芸等が一番身近で解り易いだろうか?経験が浅い場合は役に立たないが、長年打ち込み続けてきたモノに対する感はとてつもなく正確なモノになる。もしかすると『隠蔽』で誤魔化すのも一工夫いるかもしれないな。

 そして、その結果、この二人が上級冒険者である可能性が出た。そうでなくても、上級に近い中級冒険者である可能性もある。

 ステータスが見えないという事も含めて考えて、圧倒的な程に格上なのには間違いはないだろう。


「誰がハゲだ誰が・・・それで?冒険者に成りに来たんだったか?」


 ハゲと言われた事に悪態をつきながら再度確認してくるスキンヘッドエル・フォン・エグリートさん。


「はい。俺と後ろの二人はその為に此処の街まで来ました」

「そうか、そうか・・・」


 そう言って、ジロジロと俺達を見はじめるスキンヘッドさん。女性も今度は止めないようだ。


「ふむ・・・よし・・・おい、セマ。この三人をギルドにキッチリ連れて行くぞ」

「はぁ・・・やっぱりそうなるのかい?一応理由を聞いておくが、何かあるかい?」

「面白そうだからだ!」

「底無しの馬鹿かあんたは!」


 女性がハゲの頭を叩いている。話が急展開に進んでいっている。言っている事はある程度解るが、理解が追いついていない。

 後ろを振り返ると美奈子はまだ少し怯えた様子コチラを見ていて、幸太はかなり混乱した様子で俺達とスキンヘッドと女性を忙しなく視線を動かして見ている。混乱しているのは解るがチワワみたいに震えてこっちを見るな。

 そんな此方の戸惑った様子を察したのか女性が、


「へぇ・・・良かったじゃんか、どうやら採用らしいよ」


 察してなかった。全然察してなかった。え?何て言ったこの人・・・採用?

 何か、嫌な予感がする・・・


「ああ、自己紹介を忘れていたね。私はセマ・グライス。で、コッチのハゲが」

「誰がハゲだ!ったく・・・俺はエル・フォン・エグリード。其処の街、『ミザリアル』で冒険者ギルドの支部長をやっている。宜しくな坊主共」


 後の事を思い出せばこの時の出来事は俺の人生の中で十位以内に入るくらいに驚いた出来事だと思い出せるそ、不意を突かれた不覚な事だと思う。それでも・・・


「「ええええええええええええええええええええええええええええええ!」」


 驚いて後ろの二人みたく大声を上げなかった自分には褒めてやりたい所ではある。

今年最後の投稿です。

まあ、最後にせざるおえない投稿です。

流石に私の遅筆ではあと二日の内に投稿するのは無理なので。

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