プロローグ:ようやく転生
今回は少し短めです。
あと、ようやくプロローグが終わりです。
さて・・・スキルも決めた、転生先の世界も決まっている。
他に決めなくては成らない事は・・・恐らく無いな。
「爺さん、もう決める事は無いか?」
「そうじゃな、大体の事は決まったな・・・うむ、問題無しじゃ」
「さて、それでは向こうの世界に飛ばすが・・・準備は良いか?」
二人に目配せをする。
二人とも浮ついた雰囲気を出しながら頷く・・・大丈夫かこれ?
まあ、二人が大丈夫そうなので爺さんに肯定の意を伝える。
「うむ、向こうに着いたら『異世界語翻訳』等のスキルを付与される称号が追加されるはずじゃ。念のため向こうでステータスを確認して、何かあったら何処でも良いから教会かそれらしい所に来てくれ、出来る限り力になるからの」
そう言うと、俺達の周りが光のベールに包まれる。
どうやら、異世界に行くようだ。
「じゃあ、行ってきます紙様!」
遠足に行く子供の様にぶんぶんと手を振る富田
「色々とお世話に成りました」
礼儀正しくお辞儀をする委員長
「ああ、世話に成ったな爺さん」
そういって軽く手をあげる俺
「なんの、元々は此方の不手際じゃ。罪滅ぼしの様なモノだと思ってくれ。では、行くぞ!」
爺さんがそう言うと光が強くなり・・・俺達の視界はブラックアウトした。
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あの三人を送ると途端に静けさが辺りに戻ってくる。
「儂を前にしてもあの賑やかさか・・・惜しい事をしたものじゃ」
そう、今回の彼らの死因は自分の不注意にある。
もしも、死んで居なければ大物に慣れた可能性は小さくは無かっただろう。
それを積んでしまった事に後悔が有った。
「しかし、今回に限ってどうしてこんな事が起こったのかの・・・?」
世界同士がぶつかる事は過去何度も有ったし、あの世界だって今回以上の衝突を起こした事も少なくは無い。
それなのに今回に限って何故歪みが発生したのか・・・前例が無い以上総当たりで調べなくては成らないだろう。
そんな事を考えて行動に移そうとして居ると誰かがやってくる。
「無事、転生させられたみたいですね」
死神だ
こ奴は辛辣な言葉を吐くが今回は特に辛辣な言葉を投げて来た。
そんなにも今回の事を重く見ているのだろう。
もしくは自分が恩恵を与えた者の心配か・・・・。
「何か下らない、それも凄く失礼で不愉快な想像を膨らませてませんか?」
半目で睨んで来る死神。
顔には出ていない筈なのに何故か悟られた。敏い奴じゃ。
「そんな事は無いぞ。ただ、今回起きた事について考えていただけじゃ」
「ただの貴方の不注意では?」
「いや、そんな事は無いぞ。今回の衝突は予定通りのモノ。
何時もの様に世界同士に少しづつ刺激を与えるためのモノで、衝突速度も予定通りじゃった」
「では、他にも原因が?」
「ぶつけた先のもう一つの世界には歪みなど発生して無かった。
今から詳しい調査を入れるが・・・何かしらの神為的要因が有る可能性は高いじゃろうな。
ただの偶然である事を願いたいものじゃ」
「神が何かに願うなんて皮肉にも良い所ですけどね」
誰に対してもこの態度。
こ奴の言葉で何柱の心が折れた事やら・・・まあ、儂もそのうちの一人じゃが。
「さて、私は自分の業務に戻ります」
「む?自分が加護を与えた者・・・加賀君じゃったかな?あの子は気に成らんのか?」
てっきり、それが気に成って此処まで来たのじゃと思っておったが。
「あの加護は私ではなく先代以前の柱が与えた者が何かしらの原因で覚醒したスキルだと思われます。
まったく気に成らないと言う訳では有りませんが、気にしすぎるモノでも有りません」
「そうか」
「そうです」
そういって、来た時の様に姿を消す死神
本気で言って居るのか、それとも嘘なのか死神は表情を変えないから良く解らん。
一部の柱には見分けが付くモノも居るらしいが、儂にはさっぱりじゃ。
そういえば・・・
「加賀君も表情を変えなかったの・・・」
筆不精を直したい・・・・